2025/01/07(火) 手をにぎりたいんだけど
正月になんとなく音楽を聞いていたら、ビートルズの「抱きしめたい」が流れてきました。それで、今さらのことではあるのですが、この歌の原題は「I want to hold your hand」なわけで、これは中学生でもわかるように、「抱きしめたい」と言っているのではなくて、「手を握りたいんだけど」ってお願いしているだけの歌です。もちろん、「手を握りたい」っていう題で売り出すよりも「抱きしめたい」の方がインパクトがあるからそうしたのだろうとは、容易に想像できます。
ところで、「手を握る」という言葉は、「手を繋ぐ」というのとどう違うのだろうと、ぼくは考えました。「手を握る」の方が「手を繋ぐ」よりも、一方の人の思いの方が、他方の人の思いよりも、かなり勝っているのではないかと思われるのです。どちらかがどちらかを好きで仕方がないのではないか。一方、「手を繋ぐ」の方は、双方が同じ程度に好き合っている、そんな感じがします。
また、英語の方は「hold your hand」となっているわけで、holdという言葉の意味は、まさに「握る」になるのでしょうが、個人的な感じとして、単に「握る」というよりも、相手をもっとやさしく思いやり、守ってあげて、包み込み、あたたかくずっとずっと愛していたい、という感じがします。
そうであるならば、「抱きしめたい」という切なる思いに満ちた翻訳は、あながち原題の気持ちからそう遠くはないのではないかと思いもするのです。
手をつなぎたい人、手を握りたい人、手を包みたい人、それぞれ誰を思い浮かべるだろう。