俳句を読む 75 五十嵐研三 うらがえすやもう一つある秋刀魚の眼
うらがえすやもう一つある秋刀魚の眼 五十嵐研三
最近のサンマはだいぶ小さくなってきましたが、つい先日も、夕食のテーブルの上にちょこんと乗っていました。勤めから帰って、思わず嬉しく「サンマか」と、口から出てきました。特段珍しいものではありませんが、箸をつけて口に入れた途端、そのおいしさに素直に驚いてしまいました。掲句、「うらがえすや」とあるのですから、片面を食べ終わって箸で裏返したところを詠っています。眼がもう一つあると、わざわざ言っているからといって、秋刀魚の眼を意識しなが