ぼくはずっと待っています。

かつて
知らない人から
「詩の通信教室に申し込みたいのです」
というメールが来たことかありました。

「はい」と、ぼくは返事をして、

でもその翌朝
「すみません、家族が反対するので、やっぱりやめます」
と断ってきた人がいました。

その人のことを、ぼくはたまに思い出すのです。

家族が、どんな理由でやめろと言ったのか、
また、あなたがどのような状況で生きている人なのか

ほくは知りません。

そこには、それなりの妥当な理由があったのかもしれません。

さらに、その決断は、あなたのためになるものなのかもしれません。

ぼくにはなにもわかりません。

ただ、言うまでもなく、「詩の通信教室」に参加しなくても、あるいは、家族に内緒でも、

詩は書けます。

あなたが書きたいと思う限り、あなたはあなたの詩を書き続けられます。

ほんの少しの時間があれば、あわただしくても、書いてゆけます。

そして、書くことによってあなたが、かすかにでも誇りを持てるのなら、

ぜひ書き続けてください。

そしてもし、あなたが家族の了承を得ずとも自分のことを決められるようになった日に、
その頃に、
老人のぼくが、まだ生きていたら、
いつでも教室に申し込んでください。

ぼくはずっと待っています。

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