2024/09/08(日)また会いたいと思わせてくれる人
それで、まだ毎日暑いので、ぼくはあいかわらず部屋にこもって、点ちゃん(文鳥)のそばで一日うろうろしている。
「あいかわらず」っていい言葉だなって思う。なにか事が起きたら、「あいかわらず」なんて言っていられなくなるわけで、そういう人がたくさんいるわけで。
それで、このところ部屋の中でやっているのは、少しずつ清岡卓行さんの詩を読んでは、ああ、こういう詩も書いたんだな、とか思って、しばらくぼーっとして、それからまた次の詩を読んで、そんな感じだ。
そういえば数年前に、清岡卓行さんの息子さんに会ったことがある。たった一度だけど、その日、池袋の天井の高い喫茶店で、ひとつのテーブルに、二人でしばらく座ることになった。
ぼくは清岡卓行さんの詩が好きだということを言って、きちんと受け止めてもらって、それからぼくは勝手に、その青年に、ぼくの若い頃を思い出したりして、二人でほんの少し、静かに話をした。
きまじめで、口数の少ない人だった。またいつかこうして会うことができたら素敵だろうなと、思わせてくれる人だった。
世の中いろんな人がいるけど、大きく分ければ、また会いたいと思える人と、そんなことは思わない人の、二つなのだろう。
また会いたいと思える人と、もしまた会うことがあったら、そうしたらまた、ほんの少し話をして、別れるだろう。
もしもラッキーにも、その人に何度か会うことができたら、「何度か分」のふたりのボソボソ話がしっかり溜まって行って、お互いのことがほんの少しずつわかってゆけるのだろう。
相手にむりやり入ってゆこうとせず、少しずつ付き合いを重ねて行ける人が好きだ。
さて日曜日。本日も清岡さんの詩をうれしく読んでいよう。
あいかわらず。