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#山口誓子

俳句を読む 81 山口誓子 秋夜遭ふ機関車につづく車輛なし

 秋夜遭ふ機関車につづく車輛なし 山口誓子

遭ふは、あまりよくないことに偶然にあうという意味です。ということは、作者は駅のホームにいたのではなく、どこか街中の引込み線か、金網越しの操車場に向かって歩いていたのでしょうか。夜中にうつむいて、とぼとぼと歩いていたら、突然目の前に機関車がわっと現れた、というのです。それも、本来はいくつもつながっているはずの車輛が、見えません。なにかに断ち切られたように

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俳句を読む 68 山口誓子 扇風機大き翼をやすめたり

扇風機大き翼をやすめたり 山口誓子

エアコンの便利さは理解するものの、目の前で必死に風を送り続ける扇風機の姿には、愛着を抱きます。風の向きを変えるためにひたすら首を振り続ける様子も、どこかかわいらしく、生き物に喩えられるのも分かるような気がします。掲句の扇風機は、そういった畳の上に置かれる式のものというよりも、天井からぶら下がっている天井扇と呼ばれるもののような感じがします。鳥が翼を休めているよ

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