#12 夏の思い出〜T1グランプリ(授業実践部門)〜
前回のnoteでは、この夏開催されたT1グランプリの学級通信部門についての振り返りを書きました。今回は授業実践部門についての振り返りをまとめていこうと思います。T1グランプリについては以下をご覧ください。
正直に言うと、このT1グランプリがスタートしたときには、「学級通信部門」だけでいいかな?授業は1本出せればいいかな?と思っていました。ただ、夏休み中に様々なセミナーに出る中で、自分のアウトプット量の少なさを痛感し、3本出そうと心に決めました。
ただ、これまで道徳の自作授業を作ったことがなかったので、3本作るのはなかなか厳しい‥。そこで、これまでの実践を2本、新しく作った授業を1本応募することに決めました。
授業実践部門
6年生 総合
1本目の授業は6年生の総合で取り組んだ「おまんじゅう」を材に取り組んだものにしました。この時は、5年目。学校は50周年という節目の年でした。
初任のときから、当時の校長先生に勧められて「生活科・総合」の研究会に参加させてもらっていました。この領域の楽しさも難しさも感じていた当時、50周年ということもあり、何か楽しいことができないかと考えていました。
その時までは、学校に池を作ったり、棚田を作ったりと、自然環境に近い総合に取り組んでいたこともあり、少し違った方向の総合をしたいとも思い、「食」にスポットをあてることにしました。
単元のスタートの時には、「商品化」までいければいいなぁとぼんやり思ってはいたものの、「難しいかもしれない」という思いも少しありました。が、単元が進むに連れて、「これは形にしたい!」という思いが強くなり、ある程度進んだところで、これまでの活動の写真をもって、社長さんにアタックしました。
「こんな活動している小学生がいるんですね。」
「うちの子にもやってほしいです。」
「力になれることはぜひやらせてもらいます!」
そんな言葉をもらいました。子どもたちの姿を受け止め、応援してくださったことに今でも感謝しています。
1つ心残りは、販売会が卒業式直前で、振り返りをしっかりとできなかったことです。どんなことを感じたのか、子どもたち同士で語り合えたなら、もっと学びは深まっていたのではないかと思っています。まあでも、それは仕方ない。活動の余韻に、浸ったまま卒業できたのはそれはそれでよかったと思うようにしています。
子どもたちと素敵な単元が創れたこと、関わってくださったみなさんに感謝です。
1年生 生活科
2本目の授業は、3年目に1年生を担任した時の生活科の授業です。5→6と担任した後の1年生。若かりし頃の実践です。今思えば、「生活科」としてもっとこうしたら‥と思うポイントはありますが、活動として、子どもたちの学びとして、今でもよい実践になったなと思っています。
6年生にたくさんお世話になって、学校生活に慣れてきた子どもたちに、「6年生は卒業してしまう」という話を投げかけました。6年生のためになにかしたい。ありがとうの気持ちを伝えなければ。そんな思いからお花を育て始めました。当時の校長先生から「土も自分たちで作れるんだよ」という話を聞いた頃から、「全部手作り」でプレゼントしたいという思いをつのらせていきました。
土を作り、植木鉢を作り、花を植える。プレゼントした際には、満足感・充実感にあふれた雰囲気でした。最後のプレゼントする会も子どもたちの手づくり。私はほとんど何もしていません。初めての1年生担任で、「こんなことまでできるんだ!」と子どもたちのパワーに感動しました。大好きな6年生とお揃いのお花を持って帰る子どもたちの姿はとても輝いていました。
実はこの後、卒業直前にも関わらず、6年生が一人ひとり手で縫ったティッシュケースを届けてくれました。自分たちがしたことが人の心を動かす。そうして、自分たちにも喜びがかえってくる。そんなことを感じてくれていたら嬉しいなと思っています。
渡辺先生からの講評では、発表の作り方について教えていただきました。思えば、自分がしたことを伝えることに一生懸命で、聞いてくれるみなさんへのチューニングが足りなかったなと思います。相手を惹きつけ、巻き込む。そんな発表ができるようになりたいです。
4年生 道徳「希望と勇気、努力と強い意志」
3本目が初めての自作?道徳授業です。自作とは言っても、今年度使っている教科書から題材を見つけ、それを自分で組み立てたので、半自作という感じでしょうか。
本当はディズニーを題材に作ろうと考えていたのですが、なかなか自分の中でしっくりこず、どうすればよいか悩む中で、渡辺先生のパリ五輪の授業を見ました。生井先生がT1グランプリに応募した授業を、渡辺先生が修正追試という形で実施したこの授業、感動したのはもちろんなのですが、いただいたコンテンツの最後に、参考文献として教科書のお話がのっていました。これを見て、まずは身近な教科書から題材を見つけてみようと思い、教科書見て見つけたのが「池江璃花子選手」でした。
よし、これでいけると思い、まずは情報収集をスタート。書籍、動画を見つけられる範囲で集め、内容をチェック。その中で池江選手が「目標」を大切にしていることを題材に授業をつくることに決めました。
作って感じたのは、自作授業を作っている先生方の凄さです。正直、1時間の授業のために、これだけ調べ準備したことが、これまでの経験でありませんでした。今回は題材を教科書からもってきているので、ある程度イメージを作りやすかったのですが、1から作っている先生方はどれだけの力をかけているのか‥作ってみたからこそわかることだなあと思いました。
最後にパリ五輪のインタビューをどう扱うのか‥とても悩みました。ただ、最後の「4年後にまた戻ってきます」の言葉に自分はパワーを感じたので、マイナスのところから、次を目指す姿勢につながるように、インタビューを使いました。
授業の入りや問いかけの仕方などは、もろに渡辺先生の授業を参考にしました。テンポ感、問いかけ、動き、子どもたちの前での姿をイメージしながら作りました。
渡辺先生からは「削る」ことについてアドバイスをいただきました。調べれば調べるほど、削るのが難しくなります。今回実際にたくさんの資料を集めてみてそう思いました。使いたい!と思うことが多すぎるのです。だからこその「削る」です。今回、自分の中では削りに削ったつもりでしたが、まだまだでした。内容だけでなく、発問、映像、音楽と心を動かす授業をするためには、削るを意識するポイントがたくさんあります。教えていただいことをもとに、修正したものを、今週、子ども達の前でやってみます。
学びの機会に感謝
2回にわたり、T1グランプリについて振り返ってきました。自分のなかでは、大きなチャレンジでしたが、やってみてよかったなぁと思います。この夏休みは、体はゆっくり休めつつ、自分が応募する授業について考え続けていたので、不思議と頭は働いていた気がします。そのおかげで、夏休み明けの仕事もスムーズにスタートことができました。
実際にチャレンジして、自分に足りないことがたくさん見つかりました。そこがこれからの伸び代だと思って、また日々の積み重ねを大切にしていきたいと思います。
自分の通信・授業だけでなく、他の多くの先生方の素敵な通信や授業がたくさん集まっているT1グランプリ。今からでも、提出されたものは見ることができます。気になった方はぜひ、参加してみてください。コメントでの交流も楽しいです。
最後に、このようなチャレンジと学びの場を創ってくださった渡辺先生、事務局の皆様に感謝の気持ちをお伝えして、今回の振り返りを終わります。本当に素敵な機会をありがとうございました!