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[書評] ゴルフは気持ち

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・エッセイスト書評家 として、
自らを定義しています。

この際 ハッキリ言っておくが、
私は ゴルフを プレーしたことがない。

なんならプレーしたいとも思わないし、
今まで何度もお誘いを受けたが
けんもほろろに お断りをしてきている。

まずもって、
コースに出ることを考えれば
1日の拘束時間は非常に長いし、
プレーにも道具にも お金がかかる。

しかも 人並みに嗜もうと思えば、
コース以外での練習も必要だろう。

2、3回 練習場に通って
上手く打てるなら、
世のゴルファーたちは
こんなに苦労はしていないハズ。

特に私は 運動音痴な上に気が短いから、
一向に上手くならない自分には
終始 立腹しっぱなしであろう。

そのうち 脳の血管が切れそうだし、
「グリーンで死ねるなら本望」
などとは微塵も思わない。

しかも ゴルフ大好きな
オジサン連中というものは、
なにかと仕事に関わるメンツで
休日ゴルフをするのが好きなもの。
(例外はあるだろうが、私の周りは そうである)

「Naseka 君は ゴルフをやっている」
なんて知れようものなら、
貴重な休日に嬉しくもない
ゴルフのお誘いが舞い込んでくる。

会社の上司や仕事上の お客様とのゴルフなど
どう考えても仕事でしかないと思うのだが、
手当が出るどころか費用は
こちらの持ち出しである。

職場で同僚から
「週末は上司とゴルフなんだよ…」と
嬉しくなさそうな報告グチを何度聞いたことか。

そんなこんなで、
私はゴルフをプレーする気はない。

では、なぜこの本を読んだのか?

実際にプレーする気はないのだが、
ゴルフゲームをするのは 好きなのだ。

中学生の頃は 部屋で ひとり
「マリオゴルフGB」をやり込んだし、
高校生の頃は友人と
「みんなのゴルフ」で盛り上がった。

学生の頃に読んでいた週刊少年マガジンでは、
ゴルフマンガ「空の昴」が好きだった。

自分ではプレーしなくとも、
ゴルフという競技には
たくさんの魅力が詰まっていると思っている。


カッコよくないオジサンが主人公

本作品の主人公は
神田まさし、通称「カンちゃん」。
職業はサラリーマンで、ゴルフは趣味。

ハンディキャップは 20で、
いつかは シングル(ハンデ9以下)に
なりたいと思って
日々 精進(と悪戦苦闘)をしている。

普通 ゴルフマンガといえば、
プロだったり プロ顔負けの腕前の
主人公たちがシノギを削るのが一般的。
少年向けだったら、すごい名前がついた
スーパーショットも登場するかもしれない。

…が、この作品には
そんなカッコイイ人は出てこない。
一番上手い人でも
シングルハンディキャップ持ちの
れっきとしたアマチュアゴルファーである。

だから、バンカーに打ち込んだり
ショットでダフミスるのは日常茶飯事。
OB や 池ポチャ も普通にやらかす。

いっしょにプレーする人たちにしても
腕前は五十歩百歩。
みんな いろんな癖があるし、
ある意味では見ていて飽きない人たちである。

おそらく登場人物の平均値でいえば、
日本一レベルの低いゴルファーマンガと
いえるかもしれない。

下手だからこそ

だが、そのレベルの低いゴルフだからこそ
このマンガは面白い。

そもそもがゴルフ雑誌に
連載されていた作品だから、
想定読者も アマチュアゴルファーが
メインだろう。

故に 読者自身の悩みや共感に
訴えるところが大きいのではないか。

誰しも子供の頃は
カッコイイ ヒーローや
ヒロインに憧れるものだ。

私は 典型的な男子だったから、小さい頃は
仮面ライダーやドラゴンボールの
真似事をして遊んでいた。

るろうに剣心が流行した頃は、
飛天御剣流とか牙突とかいって
友人と傘を振り回していた。
(非常に危ない)

ただ、大人になるにつれて
自分は彼らヒーローとは違うと
気付いてくる。

いや 気付いても夢中になれる人もいるし、
それは それで素敵なことだと思うが。

私みたいに なまじ分別がついてしまうと、
今更 自分にマンガの主人公のようなことが
できないと悟って、
どこか冷めた気持ちになってしまう。
(かめはめ波なんて 打てるわけがない)

ただ、この作品の登場人物は
みんなアマチュアなのだ。

失敗は多いし、
むしろナイスショットの方が少ないくらい。
下手は下手でも個々に得意な技もあるし、
性格も含めて十人十色。

だから アマチュアゴルファーの方々なら、
読めば 誰かしらには
共感を覚えるのではないだろうか。

それに加えて、主人公カンちゃん
登場するシングルハンデの先輩を通して
ゴルフのコツも ちゃんと紹介されている。

なるほど、ゴルフを趣味とする者にとっては
非常に面白い作品であることだろう。

ゴルフから学べるもの

ただ、繰り返すが 私はゴルフを一切しない。
それでいて、この作品は非常に面白い。
何度も読み返すほど、である。

このマンガを読んで感じたことは
「なるほど、ゴルフは人生そのものである」
ということだ。

ひとつのショットそのものから
次のショットまでの間、
あるいはラウンド全体を通してや
日常の練習に対する姿勢まで…

ありとあらゆる場面で、
ゴルフには人生を考える上でのヒントが
散りばめられているように感じる。
さながら哲学書のようだ。

作品の題材は
ゴルフそのものではあるのだが、
そこに表れる教訓は
決してゴルフに限られたものではない。

なるほど、斯様な魅力があるのなら
単なる運動や競技スポーツという枠を超えて
長く愛されているのも納得がいく。

…ただ、私が実際にプレーをしたら
カンちゃん顔負けの癇癪を起こして
人生も教訓もあったものではないだろうが。

短気な私にとっては、
「読者」という第三者視点で
彼らのプレーを見るのが
一番 性に合っている。

まとめ

ゴルフには人生のヒントがたくさんある。

それを 実際のプレーを通して考えるのは、
心身ともに良いことであろう。
だが、それには時間も費用も 相応にかかる。

それならばまず、この作品を読んで
ゴルフとはどんなものか、
そこから何を得られるのかを
覗いてみてはいかがだろうか。

これを読んで興味が湧いてきたのなら、
実際にクラブを握ってみればよい。

私にとっては時間と費用をかけずに
ゴルフをプレーした気分で学びを得られる
人生の教科書バイブル的な作品である。

こんな人にオススメ!

・ゴルフが大好きな人
・ゴルフはプレーしないが、
 観戦やゲームは好きな人
・ゴルフを始めてみようと考えている人

こんな人には合わないかも…

・下手なゴルフを見るのが嫌いな人
・「ゴルフはプレーしてナンボ」と考える人

お読みいただき、ありがとうございました。

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