[書評] 「超」入門 失敗の本質 - 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ -
みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・書評家・エッセイスト として、
自らを定義しています。
私はいつの頃からか
「本質」というものに
いたく執着するようになった。
世の中には「○○の本質」という
表題の本が山ほどあるが、
書店で見かけると
とりあえず中身を覗いてみたくなる。
今回 紹介する本も例によって
書店でバッタリと出くわした1冊なのだが、
今やそれは
私の座右の書のうちの1冊となった。
10年以上前に購入した本書を、
私はかれこれ両手で数え切れぬくらいには
読み返している。
今回は そんな大切な本について紹介したい。
人生は失敗だらけ
この本は
「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」
という書籍の解説書である。
私は原書も読んだのだが、
その本からエッセンスの抽出した本として
非常に読みやすい本である。
(原書はもう少しボリュームが多い)
私が繰り返し読んでいるのも、
中身だけでなく
その読みやすさによるところが大きい。
日本が経験した太平洋戦争を題材に
大別して7つの敗因について
解説されているが、
本書では現代的な
(といっても10年以上前の本だが)
事例も引き合いに出されている。
会社員としての顔も持つ私にとっては、
本書の示すところの「失敗」というのは
随分と身近なものである。
日本式の企業であれば、
この組織的な失敗に
心当たりのない者は
そう多くはないだろう。
また 戦争は国家という
大きな組織によって行われる行為であるが、
本書で紹介されている失敗は
いずれも組織だけに関わるものではない。
個人ひとりひとりであっても、
該当するものは多いのである。
誰もが憧れ羨む成功者であっても、
失敗を経験しない者はいない。
むしろ成功者ほど、我々一般人よりも
はるかに多くの失敗を
経験してきていることが ほとんどである。
そういう意味では
人生に失敗は付き物だし、
さらに言えば
「人生は失敗だらけ」とも言える。
エジソン×ビスマルク
失敗に関して 私の好きな言葉のひとつが
「私は失敗などしていない。
うまくいかない方法を発見しただけである。」
かの有名な発明王 エジソンの言葉
(の私なりの意訳)である。
私も昔は失敗を極端に恐れており、
「失敗するくらいなら 挑戦したくない」
とさえ思っていた。
だが、前述の言葉を知って
考え方が大きく転換した。
世の中、大抵の人間にとって大抵のことは
初めからうまくできるようには
なっていないのだ。
すなわち、最初は失敗するのが当たり前。
失敗を経験し、そこから得た気付きや学びを
次のチャレンジに活かしていく。
基本的にはこれが成功への近道である。
また、「失敗」という単語こそ含まないが
もうひとつ私が好きな言葉がある。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
鉄血宰相 ビスマルクの言葉である。
私の中では この2つのかけ合わせが
成功への最短距離であると思っている。
「失敗を恐れず、失敗から学んで次へ活かす」
このエジソン流は上策だが、最上ではない。
もちろん
「失敗を恐れて挑戦をしない」
「失敗から学ばず、同じ失敗を繰り返す」
よりはマシではあるが。
エジソン流にビスマルク流の
「賢者は歴史に学ぶ」を加えるのが
最上の策である。
つまり
「先人の失敗や成功の経験から学び、
そこから得た学びを挑戦に活かす」
もちろん 事によっては
自身の経験による学びの方が
早い場合もある。
また 時間に糸目をつけない趣味であれば、
ゼロから試行錯誤をしていくのも一興だろう。
だが、人生の時間は限られている。
既に先人がいるのであれば
先人の知恵に学ぶのが
一番手っ取り早い。
もちろん エジソンのように
自身が先駆者となる場合は、
地道な試行錯誤の積み重ねである。
それはそれで、
険しき道だが 偉大な挑戦の人生である。
まとめ
あなたは、或いは
あなたの所属している組織は
「失敗」から ちゃんと学びを得ているだろうか。
ビスマルクの言葉を借りれば、
先人の失敗から学ばない
(自身の経験に学ぶ)のは
「愚者」の行いである。
いわんや自身の経験からすら
学びを得ないのであれば、
「愚者以下」である。
我々 日本人のご先祖様は、
先の大戦で大きな失敗を
いくつも経験した。
後世に生きる我々がすべきことは、
先人の過ちを責めることでも
先人の代わりに他国に謝罪することでもない。
先人の失敗から多くを学び、
今を生きる自分たちの人生を
より良くするために
「学びを活かす」ことなのである。
それが命を懸けて
日本の未来を守ろうとした
先人たちへの恩返しとなるだろう。
さぁ 今日からあなたも歴史から学び
「賢者」になろうではないか。
こんな人にオススメ!
・歴史の考察が好きな人
・歴史や失敗から学ぶのが好きな人
・「失敗の本質(原書)」が気になっている人
こんな人には合わないかも…
・(太平洋)戦争の話が苦手な人
・当時の日本軍を礼賛している人
・「失敗の本質(原書)」を読んで
意見が合わなかった人
お読みいただき、ありがとうございました。
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