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不登校・登校渋りになった時期やきっかけや理由〜保護者インタビューの一次調査結果より〜
自由登校を見守る会「カスミソウ」の会員である保護者へのインタビュー企画になります。カスミソウは主催者も会員も不登校や登校渋りの子どもがいる当事者です。会員がどんな悩みや困りごとを抱えているのかを把握し、カスミソウとしてどう活動に活かしていくのかを検討するために、主催メンバーから会員さんにインタビューを実施しました。今回は会員約90名のうち15名の調査結果より、不登校や登校渋りになった時期やきっかけ、その理由をご紹介します。
※今後、会員の全数調査を予定しており、その内容も別途公開する予定です。
ーーー不登校が始まった時期
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会員の保護者、約90名のうち15名を対象にインタビューした調査結果より、不登校が始まった時期として最も多かったのが未就学児、次に中1、小3の順となりました。就学前から特性があって集団行動に馴染めない例が多く見られまた。
学童期以降は、進学のタイミングである小1や中1、高学年に上がるタイミングの小3やクラス替えが転機になることも多いようです。環境が変わるタイミングで馴染めなくなったという声もありました。
また、小さい頃から特性があり、学齢が上がるにつれ、徐々に負担感が増え、そのまま全く行けなくなったという人もいました。
〜Yさんの場合〜
保育園に通っていた時代から行き渋りはあり、小学校に入学しても時折、大泣きしてしまうことがありました。2年から付き添い登校をしていましたが、4年でいじめがあったのがきっかけで、学校自体が嫌になってしまいました
〜Kさんの場合〜
小学生になった頃から時々行けず、中学年から行き渋りが始まった。小3の時にコロナ禍で家族全員が在宅で過ごしたことをきっかけに休みが増えた。小6に上がった時にクラス替えがあり、お友達は良かったけど、もうがんばれないと本人が言い、完全な不登校になった。
ーーー不登校になったきっかけや理由
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不登校になったきっかけはさまざまでした。一番回答が多かったのが「担任と合わない」「いじめ」で同列で1位、次に多いのが「発達障害に合わせた対応をしてくれなかった」が2位で、理由がよくわからず「不明」と答えた方も多い状況です。
〜Sさんの場合〜
きっかけとして思い当たることはないのですが、誰かに教わるのは苦手だし、気疲れがあったんじゃないかと思います。先生から見ると、社交的でお友達も多く積極的なタイプだったようです。2年生までは落ち込むことが多い状況でした。学校まで付き添い登校し、昇降口の前で2時間も固まってしまったり、気分転換していたら急に行くと言い出したりと気分の波も激しい状況でした。親としてもどう向き合えばいいのかわからず大変でした。
〜Tさんの場合〜
小3の時、給食で味覚過敏で食べられない食材を無理やり食べさせられ、戻してしまったことがありました。それを見た担任の先生が「あのお兄さん、汚いね」と他の子に言ったことに本人はとても傷付いてしまいました。子ども人権相談に相談し、アドバイスを元に診断書を学校に提出しました。本人が「担任が変わらないと行かない」と言っていていたら、別の担任のクラスに変更してくれました。小4に進級した時に、新しい担任にできないことを無理にさせられ、完全に学校が嫌になってしまい、登校できなくなりました。
ーーー不登校になったきっかけや理由に「担任の先生」が関わっていることが多い
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話を聞いていて、担任の先生が不登校になったきっかけや理由に挙がる例はとても多いと感じました。先生の不適切な言動が不登校の直接の原因ということもあれば、子どもの特性を合わせた柔軟な対応がなく、集団行動や学業に着いていけなくなったという例のように、先生が遠因となって不登校に繋がったケースもありました。
学校の先生の仕事は長時間労働で負担が大きいと聞きますが、担任の先生だけでなく学校全体で不登校対策に取り組める力を注げる環境が整うといいなと切に願います。
また、学校に行きたくない理由を子どもに聞いてもよくわからなかったり、言いたくなくて教えてくれない例も多いと感じました。例えば、いじめがあってもその場では親に言えず、数年後に本人から教えてくれた子もいました。また、子どもが嫌なことがあってもそれをうまく言語化できず、成長してから気づくこともあるようです。
その他、今回見えてきたこととして、1つのきっかけで一度に学校に行けなくなってしまうケースもありますが、ほとんどは何度かの嫌なことが積み重なって子どもの心が折れてしまうというケースだとわかりました。子どもが「学校へ行きたくない」と言い出した時、我慢を重ねてやっと親に言えたという可能性も少なくなさそうです。
ーーーおわりに
今回のインタビューの対象は不登校や登校渋りが始まってからしばらく経った方が多く、当時を思い出してお話いただきました。
辛い記憶でも子どもたちのために何か為になるならと皆さんおっしゃって協力していただいています。
この場を借りて改めてありがとうございました。
文:hiromin(北区メンバー)
取材:二村・福田・福井・小暮
イラスト:ミナコーラ