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創作大賞に応募したいんですが 6

姉の記事のちいさな嘘。そのわずかな綻びを、真実への糸口にしたい。

いえ、わかるんですよ。書いてあることは全部本当で別に真実なんてたいそうなものがあるわけない。嘘に見える部分はただの姉の思い違いかもしれないし、僕には不思議に思える不穏な空気感も演出かもしれない。そんな可能性のほうが、はるかに高いってことは。

でも僕は知りたかった。嘘でも、真実でも。それは姉の一部であるのだから。

僕は姉の記事をつぶさに読みました。なにか見落としているものはないかと。

そしてさっき気づいたんです。正直いまちょっと(かなり?)動揺しています。いやいやうん、落ち着こう。

一つ目の姉の記事なんです。

カルビクッパへの謎の熱量が溢れていて、正直他愛のない内容です。こういう記事がnoteにあるのは全然おかしくはないと思うんですが、はじめにお話した通り、僕はこの記事をカテゴリー違いの場所で見つけました。

「#創作大賞 ミステリー小説部門」のなかでです。

タイトルとサムネ画像からしてミステリー感はないし小説にも見えない。しかしミステリー小説部門にあがっているからにはどこかにその要素があるのかもしれないと思ってクリックしてみたのに、あの内容です。

なんだこれは、という気持ちになります。

僕の場合そこでアカウント名に気づいたので記事の内容自体はそれからはあまり深く考えてはいませんでした。

でもこの記事こそが重要だったのです。一部抜粋するので一緒に見てください。

その日は急に気温があがり暑かった。日中、夫と子どもとで町の祭りに
繰り出したが、あまりの暑さに私は早々にやられた。日陰で休みながらその日の夕食のことを考える。

やがて遊び終えてやってきた夫に私は告げ
た。

そうしてふと思う。世の中にはあらゆる食事にたいして常にこのような熱量をもっている人がいるのだろうな、と。
この枯渇するような想いと腹を常に抱えて生きるのは苦痛だろ
うか。はたまた生きる糧なのか。わからない。わからないが、私はいまその末端に触れている。

三か所抜き出しました。これらは記事を読むなかで共通の違和感を覚えた部分です。

<改行>がおかしいのです。

一番わかりやすいのは二つ目の引用でしょうか。「告げた」という単語が途中で不自然に改行されています。一文としても短いのでここで改行の必要はまったくありません。

noteや他の多くのブログでもこまめに改行をする形式はよく見かけますよね。姉の記事も全体を通して改行自体は多めの文章だったので、何度も読んではじめて気づきました。

同様に「祭りに繰り出したが、」「苦痛だろうか」でも意図のわからない改行が行われます。

文の終わり以外で改行があったのはこの三か所のみ。それらの改行前の文字を上からつなげて読むと、

祭り

苦痛だ

「に げ ろ」

となるのです。

そう。逃げろ、です。

浮かび上がってきた不穏な文字。これは偶然でしょうか?

正直、僕には偶然などとは思えません。いますぐに姉の記事にコメントをつけるべきなんじゃないかと思うくらいには混乱しています。

ただもしこれが偶然じゃなく意図して隠されたメッセージだとしたら、恐らくもう一つの意図した行動が見えてきます。

・不自然に目につく記事

・僕にだけわかるアカウント名

おかしな場所に表示されたのは、タグつけの間違いや応募方法の間違いなんかじゃなかった。
この記事は意図して「創作大賞 ミステリー小説部門」にあげられた、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、んです。でもそれは創作大賞の選考対象になることなんかが目的ではない。

僕に、見つけさせるために。

僕に「逃げろ」と伝えるために。姉はこの記事を投稿した。

そうなんだよね? お姉ちゃん。


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