海沿いのカフェ 忘れられない海老カツサンド
海沿いの一本道。
海に面した大きな窓の二階にあるそのカフェに入ったのはどうしてだったか覚えていない。
たぶん仕事帰りだった。もしかしたら早く帰れた日だったのかもしれない。ちょっと寄り道したい。海が綺麗に見えそうだと思ったのか、駐車場が停めやすそうだったのか。お腹がぺこぺこだったのかもしれない。
とにかく、海に面した窓に向かって座って食べた海老カツサンドが忘れられない。綺麗だったはずの海の方は朧げなのに。
注文して、窓越しの海を眺める。まだ夕暮れには少し早い時間。16時くらいだった? ちょっと時間かかると聞いたけど、この景色があればいくらでも待てるって思った。ぼーっと凪いだ海を見てるうちに運ばれてくる。
表面がカリッと焼かれたトースト。揚げたてでまだ衣がピッピッと弾けているあつあつの海老カツ。いい匂い。お腹空いた! 野菜は挟んでなかったと思う。潔く、外付けのサラダだったかな。
はふはふしながら齧る。プリプリの海老の旨み、ザクザクとしたカツの衣に、ちゃんときゅうりのピクルスや玉ねぎを刻んで作ったと思われるタルタルソースが絡んで、香ばしいトーストと一体になって口の中熱い。よだれがジュワッと出る。
何これ!! こんなに美味しいサンドイッチ食べたことない!!!
たまに出会う、本当に美味しいものの記憶。20年以上経っても忘れられない。
また行こうと思っているうちに、その道沿いに車を走らせることもなくなり、なんという名前の店だったかも忘れてしまった。Googleマップでこの辺だったかなってたまに検索したけどもう見つからない幻の店。