小さくて大きい落とし穴
ゴルフネタが続きます。
昨日、妻と2人でツーサムラウンドに行ってきました。
初めてプレイするゴルフ場でした。ツーサムでも料金が安く、ポイントも使えたので選んだゴルフ場でした。
妻とのツーサムラウンドは、緊張感がないのはよくないのですが、「練習」にはもってこいです。普段のプレイ中にはできないことが試せるのがいいところです。もちろん、後続のチームには迷惑がかからない程度にやっています。あまり、スコアを気にせず(と言ってもやっぱり気にしながらやっていますが)リラックスしつつ、言いたいこと言いながらのラウンドです。
今回、こんなことがありました。
フロントナインのコースで、気がつけば、私達2人とも5ホール目まですべてボギーで上がっていたのです。私たちのゴルフは、「目指せボギーゴルフ」です。全てのホールをボギーで上がれたら90というすごいスコアが出ます。1つでもパーがあれば、憧れの90切りなのです。
でも、ボギーゴルフを達成したことは一度しかありません。よくて、90代、100を超えることもよくあります。
あまりスコアを気にせずやっていたので、気づかなかったのです。スコアカードを見て、
「えっ、ここまで2人ともずっとボギーで回れてるやん!」
「そうやで」
妻は、気づいていたようです。
ところが、この一言が、悪い言霊だったのでしょうか。落とし穴にはまって行きます。
次のホールで2人とも「必殺大叩き」をやってしまいました。連続ボギー記録はここでついえてしまいます。パー3のショートホールでトリプルボギー。
次のパー4のミドルホールではなんと私はクワドラブルボギー(+4)、妻トリプルボギーという連続大叩き。「あーあ」「やってもた」の世界。
一度崩れるとなかなか元に戻せないのが、私たち夫婦の弱いところです。メンタル的にもやられてしまっていたようです。「今日このまま行ったら45で上がれるやん」(オールボギーだと45なのです)と口にしていたのが遥か遠い昔の出来事のようです。蓋を開けると私は51、妻は54。仲良く50オーバーで終わっていました。
昼ごはんの伊賀牛すき焼き丼を大盛りで食べて、バックナインへ気を取り直して向かいました。
しかし、ここからはいつものペース? に戻ってしまい、大叩きもいくつかありいので私は54、妻は57という結果でした。結局90代はまたまた夢と消え私は105の橋本消費税、妻は、111匹わんちゃん大行進となってしまったのでした。
帰り道の反省会。
「あのな、ずっとボギーで上がれてたやん。あの時な、今日はベスト出るかもしれんなって思てん。ゴルフ仲間にどんなLINE送ろかなって、その文面まで考えててん。スコアカードの写メも一緒に送って……」
妻は、笑って聞いていた。続ける私。
「なんか、ゴルフって怖いよなあ。『今日、いっぺんもOB打ってない』って言った途端、『ファー』やし、『今日は、フェアウエイウッド絶好調やあ』の次にポッコン(ボールの上を叩いて2mくらいしかとばないショット)やるし……。この『ゴルフあるある』何べん経験したらええんやろ」
妻が言う。
「そうやって、言うた途端にあかんようになるから、言わんとこって思って、口にしなかっても思っただけであかんかったりするしなあ」
妻は、しゃっくりが100%止められるおまじないを持っている。(「豆腐はなんでなる。大豆でなる」というおまじない)そのおまじないを口にしないで『思う』だけでしゃっくりが止まる人なので、なるほどと思って聞いていた。
まあまあ、それでも最後は、「楽しかった」で終わる二人なのだが、(いや、このぬるい反省会が成長の妨げなのかもしれない)こんなやりとりももう何度やってきたことだろう。
「わああ、素晴らしい景色やなあ。このコースめっちゃ景観いいなあ」
そんな大スケールの中で小さな穴にボールを入れるこのスポーツ。
今回は、慢心を口にしてしまったところが、落とし穴の入り口だったか。
直径108mmの小さな穴、まさに煩悩を象徴しているかのようだ。
私たちにとって、サイズは小さいが、大きな落とし穴である。
そして、こんな落とし穴の下には「はまるとやめられない沼」が待っている。かれこれ15年この沼にはまったままの私である。
きっと次のラウンドの「反省会」でも、似たようなことを口にしているのかもしれない。
「ああ。いやだ。いやだ。もう、卒業させて!」
と言っている間は、落とし穴を楽しんでいるのかもしれないが……。
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