佐竹義人メインの本も出るといいなと思いつつ。読書日記『図説 常陸武士の戦いと信仰』(茨城県立歴史館編、戎光祥出版)
茨城県立歴史館で2014年に開催された特別展(『常陸南北朝史-そして、動乱の中世へ-』)の展示図録が元になった本。常陸国をメインに据え、鎌倉時代末期から南北朝、室町時代の歴史を辿っています。
「図説」とあるだけに写真、図版が豊富で目で見ても楽しめるし、さすが歴史系博物館の企画展ベースなだけに内容も充実(常陸国に特化した南北朝室町の本って、あまりないよね)。
ある意味、展示図録と一般書籍のいいとこ取り(*^^*)
鎌倉府好き、室町好きの私としては大満足な一冊です。
博物館の展示図録って、一般書籍と比べて手に入れたり閲覧が難しいことが多いんですよね。もちろん展示に足を運んで図録を購入するのがベストだと分かってはいるけれど……。
一介の歴史好きとしては、今回のように専門知の詰まった展示図録の内容を手軽に楽しめる本を今後も出してくれたらいいな、と思ってます。
ちなみに茨城県立歴史館、電車を乗り継いで何度か行ったことあります。埴輪はまだあるかな?
また行ける日が来ますように。
さて、この本で個人的に気になったところは、やはりこのお二方、佐竹義人と上杉憲実。血縁関係にある二人(佐竹義人は上杉家から佐竹家へ養子入り)、どちらも曹洞宗(傑堂能勝の法系)と関わりがあったことが書かれていました。
前から思ってるんだけど、佐竹義人の伝記をどなたか書いてくれないものか。山内上杉家に生まれて、佐竹家に養子入りしたもののすんなり受け入れて貰えず、永享の乱などの東国の動乱を生き抜いた生涯。読みたいなあ……。