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コニファー発、千葉行き(福岡経由)

あれやこれやの発端

※この記事は下記記事のライブ参加の行き帰りの行程を書いたものです、ライブに興味のある方は宜しければ。

さてこのライブの行き帰りについて、私は27日のBUSHIROAD ROCK FESTIVAL 2023に参戦する予定だったので日曜日は1日掛けて帰ることができる。元々千葉の片隅に住んでいる筆者としては富士急ハイランドのコニファーフォレストというのはアクセス性でいうと微妙なところがあり、20時頃*にライブが終わりとなると当日中に帰るのはいささか厳しい。河口湖駅の発車時刻で見るとデッドラインが20時10分、規制退場がありそこから富士急ハイランド駅に向かって帰ろうとするとあまりにも心許ない時間である。積み残されでもしたらその時点でどこかで夜を明かさねばならないことがほぼ確定する(タクシーでも使えば帰れはするが考えてみてほしい、タクシーに1万円払うくらいならホテルを探した方がまだマシではないだろうか)。そんなわけでコニファーフォレストでのライブイベントでは後泊が付き物になる、翌日どこへの移動を楽しもうかというのも楽しみの一環にできる趣味なのだからこれを活かそうということだ。

*:今回のロックフェスは19時半終了とのことだけど、でも40分後の電車に乗れるかはうーん…

偉大なる戦績

これまでコニファーでのライブ参戦時にはどうしていたかということで以前のライブ後の移動先だが
1回目:2021年9月 "Mythology" day2
→甲府市内のホテルに宿泊、翌日は大井川鉄道を完乗して帰宅。
2回目:2022年6月 "Mythology Chapter2"
→大月の東横インに宿泊、翌日は善光寺に参拝した後しなの鉄道経由で帰宅。
1回目は小学生時代の家族旅行で大井川鉄道の井川線接岨峡温泉以北だけ乗れなかったのでその回収、2回目は生まれる前に母が身重のうちに安産祈願で参詣したとのことでその本人が参詣する機会に恵まれていなかったところちょうどこのライブと御開帳の延長が重なったこれ以上ないタイミングに合わせての参詣となった。

…とここでライブのチケットも取れていないのに一つ大きな問題に行き着く。次どこ行く?
ライブ後で疲れていることを考えると概ね立川から甲府のどこかに宿泊することが望ましい、西に向かうなら甲府だろうか。東に戻るなら立川に泊まって関東にというのも選択肢だが、しかしそれなら別個日帰りで出かければ良いだろう。じゃあ甲府に泊まって西に行くことになる。しかしこの辺の路線は完乗済でひとまずここに行かねばというのは思いつかない。

そうだ、松本空港、行こう。

これどこに行くって答えにくいな…

日本一標高が高い空港、松本空港。元々(JAS→)JAL便が多く就航していたが経営破綻の煽りを受けて撤退、そこに立ち上がった新興の地域航空会社FDAが路線の引き継ぎを受けて札幌、福岡、関西への定期便を運航している他に各方面へのチャーター便を運航、またJALも季節運航で舞い戻っている。
路線展開を見ると関東住みの場合まず利用する機会がない空港だろう。宿泊が甲府とせっかく近所(?)なのだからせっかくだしこの機会に乗ってみたい、行き先は札幌(新千歳)か神戸、福岡である。新千歳はもう利用したことがあるし帰るのも羽田便に乗るだけ、そうだこの際やはり関東近郊で訪れる機会の少ない富士山静岡空港も訪れてみたい。そうなると行きやすいところは福岡空港だ。朝が遅いのでゆっくり行くことができる、これならライブ後の寝坊も怖くない。これが成立しないのであれば神戸まで行って新幹線で帰るというのも選択肢だったのだが。
ちょうどこの頃ライブのチケットがご用意された。当日中にいそいそとFDAのサイトにアクセスし航空券を用意、ここに「土曜の富士急ライブに行って甲府に後泊してから福岡経由で帰ってくる」遠征が確定した。えっと主題なんだっけ。

直通ってやっぱ快適ね…

そして迎えた当日、選択したのは新宿発の特急「富士回遊」である。これまでは普通列車あるいは特急の乗継で、直通列車の利用は4年半ほど前の富士急ハイランドでのトークイベント(バンドリ絡まんと富士急行かないんかお前)で今はなきホリデー快速河口湖に乗った以来。その後継列車での富士急入りになる。ちょうど良さそうな、すなわち朝がそこまで早くなくなおかつオープニングアクト含めて余裕を持って会場入りできる時間の列車を選んだら臨時便だった。こういうのもあるのか。

臨時あずさ+富士回遊、なんと満席
乗車したのはまさかのトップナンバー

しかし定期あずさの2分後を追いかけるダイヤ故か、それとも平日ほどではないにしても本数が多いせいかやはり遅い。中央線特急は電車区間の遅さとそれ以降の爽快な飛ばしぶりのギャップがすごいのだが、やはりもどかしい印象は否めない。とはいえ最新型特急車両は快適そのもの、先程新宿駅で求めた朝食を摂りつつコンセントでスマホの充電ができる。そうしているうちに車窓には山がどんどん迫ってきて高尾駅を通過、ここから列車の速度が一気に上がり本領発揮となる。ここまでこの後のフェスで出てくるグループの音楽をランダムで流していたのだがここで流れてきたは爽やかなバイオリンの旋律が美しい「寄る辺のSunny, Sunny」、信州色211系が爽やかな初夏を駆け抜ける中でこれからの旅路に期待が大きく高まった瞬間だった。

おまけ的サムシング、富士山駅の駅ビル屋上は展望デッキとして自由に立ち入ることができる。そこでおそらくはメンテナンス用のレールらしきものがあった。ところが筆者、何トチ狂ったのか遊具のレールとかと勘違いしたのだ。こんなんで1時間近く暇だったとはいえ時間を費やせるこのセンス。

疑惑()のレール

お帰りは遠回りに

さて、コニファーフォレストから多くの人の流れに乗って帰ろうとすると富士急ハイランド駅まで歩きそこから富士急行線だろう。

だるいからやだ

周囲の人口密度が高く何かと気を使う、そこまでして着くのが周囲にズラッと人がいる駅で、同時に両数の限られた列車に乗り込むダンケルクになる。サイコロでそういう目を出したなら己の不運を呪えばいいが、誰もそんなものを振れとは言ってない。
そこで妙案がある、というか今回含め3回常にこのルートである。

河口湖駅まで歩き、ガラガラの電車でゆったり座ろう。
暗く慣れないルートになるので太い道路で交差点で曲がる数を最低限に抑えるもののそれでも「普通に(筆者基準)」歩けば30分そこそこ、途中までは国道139号でその先にホテルもあるのでこの道を歩く人は意外といるかも知れない(私はそういう人を見たことはないが)。河口湖駅近くにはコンビニもあり宿泊先などまでの補給も行うことができる。
ところがこの日、ちょうど定期列車の発車にはぎりぎり間に合わないタイミングだった。しまった、1時間待ちか…あそこで少しは走っておくべきだったか…などと思いつつ駅の電光掲示板を見ると

救いの女神

勝ちました、大規模イベント開催日の臨時快速列車。ちょっとコンビニに立ち寄って乗り込むに適した素晴らしい時間に出発とある。唯一頂けないのはこれがJR東日本アプリの乗換案内で出なかったことか。

見よこのガラガラぶり

この後満員になるのだがこの時点では席を選び放題、そういえば富士山駅で進行方向変わるから大月駅で一番乗り換えやすいのは最後尾かいやでもクハならモーター音を聴ける2両目最後部にと陣取って富士急ハイランドで乗り込んでくるおそらくはさっきまで同じ音を浴びていた人々を車内から出迎える。いや性格悪いな。

なんとなく居心地がいい

そしてホテルが待つ甲府の中央本線、3両という表示に身構えたものの乗客は1両に10人いない程度で余裕を持って好きな席を選べる。この区間のハイライトは笹子トンネルを駆け抜けるMT61の咆哮だろう。持ってきた本の活字を辿りつつ足元の轟音を愉しむ、これが夜間飛行ならぬ夜間走行の楽しさよ。
甲府でのホテルは駅チカの甲府プリンスホテル朝日館、設備は古めかしいところがあるものの必要なものは揃っておりリーズナブル。どうしてもチェックインが遅くなりそして寝て起きたら次の目的地に向かうというような時にはちょうどいいホテルで、実はもう2回目の宿泊である。ホテルの設備にあまり多くを求めないならば選択肢として有力なところになるだろう。線路が近く、電車の音が盛大に飛び込んでくるのは要注意かもしれない。筆者にとっては素晴らしいサービスだったが。

レトロというのはまあある

そして空港へ

翌朝9時過ぎの重役出勤、ちょうどやってきた松本行きの普通列車を乗り通す。3両編成だが車内はかなり余裕がある、昨日と同じように最後部の2人席に陣取って約2時間の旅路だ、あっ甲府に四季島…(撮りそびれた)。

流石にこの後もう少しは乗ってきた

乗客数に変化が出たのは茅野から、ここから座席が概ね埋まり立ち客もある程度出てきたような状況で諏訪を走り塩尻、そして終点の松本。さて昼食としようか…そういえばこの辺の211系、いつまで残るんだろうね。

ココデタベタカッタ

ところが大糸線ホームの蕎麦屋は閉店していた、結局1番線ホームでつつがなく信州の蕎麦を味わえたもののちょっと寂しい。

ここまで乗ってきた211系

おやきを食べていたら空港連絡バスの時間をド忘れし慌ててタクシーに飛び乗るハプニングはあったものの、ともあれ松本空港に到着。展望デッキに上がるとこれから搭乗するFDAのエンブラエル(JA05FJ)、今回はオレンジ色の機体がつかの間の休息を取っていた。

コクピットの遮光シートに愛嬌を感じる

道中はほとんど雲の上だったので地上の風景は塩尻辺りを最後に静岡茶と梨恵夢をいただきしばらくうつらうつらしていたらもう博多湾が目の前に広がっていたという状況だったが、揺れる可能性があるというアナウンスの割には安定したフライトを愉しむことができた。揺れるような場所を避ける技量というものは本当に凄いと思う。そして着いたは滑走路が1本の空港では日本一忙しいと言われる空港、古くから世界に繋がる港町福岡の空の玄関口福岡空港だ。気温は29℃とのこと…29℃!?実際ボーディングブリッジを歩くとムワッと蒸し暑い空気が…うおお、まあ炎天下よりはマシか。

たのしいスポッティング

さて福岡空港といえばいくら飛行機を見ていても飽きが来ない、特にJALやANAの国内線フラッグシップ機が目の前を動いていくさまは羽田空港で見るのとはまた異なった迫力を満喫できる。まず目を引いたのはANAのボーイング787-9”JA935A”だったがこれまでのANAのボーイング787とは異なる特徴がある、エンジンがGEnxとなっておりロールス・ロイスTrent1000から変わっているのである。

JA935A GEnxエンジンが特徴

JAL派としてはGEnxエンジンは聴き慣れた音なのだがこちらは新仕様の客室とのこと、ANAはJALと比べるとボーイング787のエンジン周りでトラブルに見舞われることも多かったのでそのあたりが影響したのだろうか。そんな事を考えつつFlightrader24を眺めているともうすぐでJALのA350-900、それもJA02XJが来るじゃないか! 慌てて準備を整え待ち構える。

那覇行きのJTAの眼の前に舞い降りる
「革新のシルバー」JA02XJ

どういうわけかこの機体とは縁が深い。2021年末に初めてこの機種に乗った時がまさにこの機体であり、その後も折に触れて出会う機体だ。と同時にここでスポッティングする時間も半ば決まる、そうこの機体が羽田に折り返すまでと。

アングルを変えて
プッシュバックされたJA06XJ
同じくプッシュバックされたJA935A
乗ってきた機体が去っていく…

しかし全く見ていて飽きない、JALのA359が2機も眼の前にやってきてANAは787-9、そしてさらなる大物がやってきた。

圧倒的迫力のJA753A

どっこい現役のボーイング777-300、500席を超える大型機である。世界的にも数を減らしてきた非ERの上にそもそもアジア中心に限られた数のみが導入されたバージョン故に見る機会も減ってきているが、PWエンジンのトラブルや需要減退の危機を乗り越えて活躍を続けている。そういえば高校の修学旅行が沖縄だったのだが帰りが777-300だった、レジ番を控えてはいなかったのでこの機体かは永遠の謎だが見るだけでも懐かしい機種だ。

JA02XJとJA02JC
大韓航空のボーイング737-MAX8 HL8350
エンブラエルJA213J

色々撮っているうちにいよいよJA02XJが折り返す時間、この後もう1便搭乗することを考えるとそれを見届けたら夕食か。しかし眼の前のシルバーロゴに気を取られてもう1つ大きな目玉が迫っていたことに気付いていなかった。

プッシュバック中 あれ奥に…?
まさかの
機体が!!

やってきたはボーイング767-346ER ”JA615J” 昨年2022年12月6日より運行されているJAL DREAM EXPRESS Disney100ではないか! スポッティング最終盤にこんなレア機を見られるとは。

ということで2時間弱、大満足のスポッティングと相成った。蒸し暑いんもなんのその、ここまで色々な飛行機が見られるならそりゃあ撮る方が優先というものだ。

夜を駆ける

やっぱりラーメン

夕食はサッと食べていきたい、そうなると選択肢が多くしかも時間も掛からないラーメンはもってこいの福岡グルメである。しかも福岡空港にはラーメン滑走路という素敵な場所がある。今回のチョイスは「元祖糸島ラーメン 銅鑼」糸島の食材をふんだんに使ったラーメンは紅生姜を効かせて頂くと大満足の一杯に。さて帰りの飛行機が待っている。

静岡へのJA15FJ

帰りの飛行機はローズピンクのJA15FJ、ちょうど後ろに色合いのよく似たピーチのA320が来たので絡めての撮影に。

博多総合車両所ってあの辺だっけ

飛行機はぐんぐん上昇し、結局このフライトもほぼ雲の上。最終的に地上を見られたのはやはり到着直前になってからで大井川の真っ暗な流れと橋が印象的。というか静岡茶やっぱ良いですね、落ち着く。

なんで鬼滅と思ったけどANA就航してたわ
国際線ターミナル
もう出発便もないのでガラガラ

着いたは富士山静岡空港、2009年開港の空港だがこれ以降に開港した茨城空港は元々航空自衛隊百里基地、新石垣空港は石垣空港の移転ということで純粋に新設された空港としては現状日本最新である。ここまで乗ってきたFDAの本拠地であり直下を東海道新幹線が走っていることでも有名。ここからは無料連絡バスで掛川駅に、マイクロバスで来たのだがしっかりと東名道を経由して走り抜けるのには驚く。なお乗客は自分含め2名、やはり自家用車が多いのかあるいは静岡駅の方に向かうのか。

明るいターミナルビル
掛川駅

ここまで来たら帰りは新幹線だ、安心と信頼の乗り心地で旅の最後に安らぎをくれる。しかし新幹線も再び混むようになった、隣席の人に使われていてコンセントにありつけなかったのはまあ致し方ないか。

ホーム上屋が一部ない掛川駅
所謂静岡ひかりで東京まで

夜の新幹線の空気は好きだ、凄まじい速度で日常(or非日常)に連れて行ってくれる。ブルートレインとは全く違うのは間違いないが、しかしこのような形で夜間移動するのもそれはそれで趣のある旅の一つではないだろうか。まあこんな偉そうに書いているが、実際は本読んでTwitterしていたのだが…自分の時間を過ごせる場というのはやはり面白い、さて今度はどこを旅してみようか。

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