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会いたくない人は誰か
「できることからやる」、「訪問できるところから営業する」、そうやって少しずつ前に進み、小さなことの実行をキッカケに重要なことの実行に弾みをつける。これはビジネスにおいて成果を上げるために有効であることは疑いない。
面倒で重要なことを「やらなくちゃならない」と思い悩み続けるだけで、何もやらないよりはるかにマシである。
しかし、多くの場合重要で大切なことをずっと後回しにしてしまうことになる。気がつくと実行のタイミングを逸し、「事業を取り巻く環境がここまで来たからには」と目先の喫緊の課題にとりかからざると得なくなることは、あんまり褒められたことではない。
結果的に大切なことを先送りし、本質的な問題解決から逃げることになるわけだ。
キーマンがいない時間に訪問
ある食品関係の卸会社の営業部長から聞いた、パッとしない実績の中堅営業パーソンの話である。
朝の打ち合わせの後、営業に繰り出す。取引先を訪問し夕刻に戻り営業報告を作成し、営業部長に簡単な報告後に退社する。これを一見真面目そうにくだんの営業パーソンは日々繰り返している。
あるとき、営業部長は妙なことに気づいた。
それはほぼ毎日営業活動のために訪問している、重要な取引先の売り上げが一向に上がらないのである。担当に聞いてみると、きちんとほぼ毎日訪問しているようである。営業報告や日誌、報告にも不審なところはなかった。
あるとき、気になった営業部長は取引先のキーマンである店長に会っているか、担当営業パーソンに訪ねてみた。
「お忙しそうでなかなかお会いできません」が答えだった。
さらに営業部長は問い詰めた。
そこで分かったこと。
キーマンである店長に会うと厳しいこといろいろを言われるので、それが嫌で店長が不在となりそうな時間を見計らって訪問していたという。
営業成績が上がらなかった真の理由はそこにあった。
嫌なこと、逃げていることは何か
わが身を振り返ると、面倒臭いこと大切なこと、結果が知るのが怖いことは、どうしても避けがちとなり、とりあえずできる安直なことから始めることが多い。何もしないよりはマシだろうと自分を無理やり納得させての日々の行動だ。
そのうち二進も三進(にっちもさっち)もいかなくなり、時間が経ったぶんだけ複雑でより面倒臭くなったことに取り掛かる羽目に。想定以上の時間とコストがかかるだけでなく、ロクな成果を生まないことを繰り返している。
人様には逃げていること嫌なことは何か、それが重要だからまずそこから手をつけようと、オススメすることが多いが。
会いたくない人は誰か
ビジネスや経営コンサルティングの現場でも、「会いたくない人は誰ですか」という質問はとても有効あることが多い。
抱えている重要な問題解決のためには上司なのか他部門なのか、お客さんなのか、キーマンともいえる人との調整や協力が欠かせないものだからである。
ふつうの人は問題解決の鍵を握る人との接点を先延ばしにするのが常である。
会いたくない人は誰かの問いかけに、例えば生産の人が営業と言えば、生産と営業の間に重要な解決すべき問題、コミュニケーションギャップあることが多い。
最近増えているのが、上司や部下である。
中間管理職やリーダーの辛さが伝わってくることが多い。
その12:2022/11/20