🔰症状別漢方(肛門・泌尿器)便に血が混じる
毎年、この季節になると
なにか気ぜわしくなるものです。
皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
インフルエンザの方も、
増えた様子です。
感染症の基本は、手洗いとうがいです。
この二つは、邪魔くさがらずに
徹底して、行っていただきたいと
思います。
今回は、便に血が混じるお話。
急に季節が変わったように、
寒さも本格的になってくると
お尻に持病を持っている方には、
辛い季節がやってきた。
血液の混じった便が肛門から
排出される状態を「下血」といい、
その色調の違いから黒色の「タール便」と、
鮮血に近い「血便」に分類します。
患者さんは、「真っ赤な便が出た」
「海苔のような黒い便が出た」
「タールのような真っ黒い便が出た」などと
表現しますが、前者が血便で後二者がタール便です。
下血というと、腸に異常があると
考える人が多いようですが、
口腔から肛門まですべての消化管からの
出血が原因となり得ます。
胃・小腸など肛門から遠い部位からの
出血では、出血した血液が腸内細菌に
よる分解をうけるためにタールのように
黒色に変色します。
一方、肛門から距離的に近い部位、
つまり結腸から肛門までからの
出血では、生体内で腸内細菌の分解を
受けずそのまま排出されるため、
鮮紅色の「血便」となります。
便に血が混じることを、
東洋医学では、便血または下血と
いいます。
まず、大切なことは、どのような状態で
血が混じるのかということを
よく観察することです。
つまり、排便する前で出血するのか
便自体に血が混じっているのか、
また血の色はどうか、などをよく
見きわめます。
もし、排便する直前に出血し
血の色が鮮紅色ならば、胃腸から
の出血ではなく、肛門付近からの
出血、つまり痔による出血であると
判断できます。
このような人は、
「肛門が痛い」を参照してください。
一方、便自体に血が混じって
いるときは、胃腸などの消化器
からの出血が考えられます。
こういう便は、
「下痢の痢疾」にみられ
出血部位が、胃・十二指腸
からだと、嘔吐を伴うことも
あるようです。
こういうときは、痛みを感じる
部位によって判断します。
下腹部が痛い人は、
それぞれに参照してほしい。
痔の出血に効くトチノキ
トチノキの実、葉、樹皮は
古くから痔の出血や婦人病、皮膚病
などに用いられてきました。
この効能は、おもにトチノキに
含まれるタンニンによるものと
言われています。