オレンジ色に負けてるハイヒール 2
ガチでダルい。こんな真夜中に友達の宅飲みに呼び出しくらうなんて。何時だと思ってんのよ。ほぼ朝だよ。しかも、今日は体調良くないから行きたくないのが本音でございます。
親にバイトは駄目だと言われ、やっと買った黒いローファーを履いてくか。頭が回らないからコーデも考えらんないし。これでいっか。下駄箱には履かなくなったハイヒールもあるけど、あえて今日も履かない。優等生君の為に買ったハイヒール。って、あ。ハイヒールって言わないのかな。つま先見えてる靴は。それは、どうでもいいけど今日も下駄箱で寝かせて置くか。今、着てる服とは相性合わないし。
ダルい気持ちで都会の真夜中に一人、街を歩くの億劫。といっても友達の自宅は近い。
インターホンを鳴らし、友達のお母さんがドアが開けてくれると賑やかな声が聞こえてきた。あ、結構人数いるな。玄関近くにある階段を登って友達の部屋に着いた。ドアを開ける前に、なんだか聞いたことのある声が。
ちょっと待って。なんでここにいるの。優等生君よ。
飲み会で一緒になるなんて、珍しい事もあるもんだな。全然オシャレしてないが、今は優等生君を気にもしてないから大丈夫。
ってか、皆だいぶデキ上がってるし。なんで私だけ、こんな時間に呼び出されたんよ。はぁ。とりあえず座るけどさ。チューハイは、何か体調悪いから飲まないでおこ。友達のチューハイの押しつけマジ、ウザイんスけど。帰りてー。
「いやいや、何かしら訳あるんだからさ。ジュースかお茶ないの?」
あら、優等生君、気の聞いた事言えんじゃん。いいぞ、いいぞ!
「ビールかハイボールかチューハイしかないわー」マジかよ。
「じゃ、そこの2人買い出し行ってきて」
は?私にご指名?やっぱ、来るんじゃなかったわ。ツイてない。
「あー。分かったわぁ」「あのさ、何か顔色悪いけど大丈夫?俺、1人で行っても全然大丈夫だけど」
あぁ。二人で買い出しの振りして、そのまま帰ってもいいしな。
「うん。大丈夫。私も行く!」
玄関出たら、さっきより風寒いし。最悪。
「何か薄着だけど。良かったら、これ着る?」
さみー。寒すぎて、優等生君のパーカ借りよっかな。「でも、ロンTだけじゃ寒いんじゃない?」
「いや、逆に暑いんだよね。結構飲んでたから」
あら。あらら?なんか、男子から服借りるの初めてだから、少し照れるな。でもな。帰らないと風邪ひきそう。「私、ちょっと体調悪くて。帰ってもいいかな」
「やっぱり、そうだよね。ごめん。みんな、デキ上がってて体調悪そうなのは気づいてたんだけど」
「パーカー、ありがと」
「いや、着て帰っていいよ。いつでもいいから大学に持ってきてもらえれば」
「あっ、あー。じゃ、借りてくね。ごめん!ありがとう!じゃあね」
優等生君のインスタは知ってるが、ここでLINE交換しないんだ。
「体調悪そうだし、送ってくよ」
あら。まぁ。
予期せぬ展開。