私は元日本人
最近自分自身を表す言葉として"元日本人"というのがしっくりくる。
アメリカ国籍取得の背景
アメリカの国籍取得資格はグリーンカードを5年保持してアメリカにきちんと滞在(その間合計6ヶ月以上の旅行期間がない)していれば得られます。
アメリカ国籍の配偶者の場合3年、軍に従事した人は1年。
今のグリーンカードはパスポートと同じように10年で更新する必要がありますが、私はこの更新の時に悩みました。最初はパスポートの更新みたくそろそろ有効期限が切れるから更新しなければ、ぐらいなかるい感じで、まさか壮大な国籍問題に突入する気など全くなかった。
ですが、その時の私が気にしてしまったのがグリーンカードの更新費でした。当時いくらか覚えていませんが今は$455(65253円)。もともと貧乏性ですからね、私。
それと最初のグリーンカードの申請時の面倒臭さ。
移民局へ出向いたりした記憶があって本当に面倒で嫌だと思ってしまった。
これを10年毎にやらなきゃいけないのかと想像したらげんなりしてそれなら国籍取っちゃえばこの一回で移民局とは、おさらばだ!
と、それで良いんだろうか?という軽いノリでアメリカ国籍を取ることを視野に入れるように道筋がずれ始め。
アメリカ国籍を取得する理由は人によってそれぞれでしょうけれど一応アメリカ合衆国のウリは
↓↓↓
いくらあっちょんぷりけな私としましても値段と面倒臭さだけではアメリカ国籍の選択はいくらなんでもと短絡すぎるのでつらつらと考える日が続きました。
二重国籍を認めていない日本ですからアメリカ国籍を入手して“はっpーV”だけでは終わらず"さようなら日本"が必ずついてきます。
真剣に考えなくてはいけません。
1、選挙権ですがもう直ぐ大統領選来ますが大統領選出は直接投票ではないので選挙権があるかどうかはあまり重要ではない。州の代表を選ぶとかの方がまだ大切。でも、それ以上に地元の細かい法案に対する参加権があるかどうかの方が重要。特に不動産を持っている場合色んなコストが固定資産税にかかってくるので参加しないと直接関係してくる。警察や図書館、急患受け入れの病院を作るかどうか等、身近な問題に関しての選挙権あるなしはお金が直接絡むので結構重要。
2、これは旅の予定あってもキャンセルしなくなるので正直唯一国民にはなりたくない理由に挙げられる。
3、これはアメリカパスポートではなくても旅は出来るので魅力的ではなかったのですが、やはり海外で有事にアメリカ大使館や領事館に頼れるのは心強いな、と。グリーンカード保持者にも一応ドアは開いているようですが、未曾有の事態ではやはり国民優先。グリーンカードはアメリカ国内においてアメリカの庇護下ですが外に出れば昔の私は日本人。助けを求める先は国籍のある日本大使館が正しいですが、住まい&生活はアメリカ。異常事態発生時の曖昧さは危険だな、と考えてしまいました。
4、5、6は当時予定もなかったのでそういうのもあるね、程度でしたが
7、これが1番の理由でした。国民はいかなる理由でもアメリカからは追い出されない。仕事も銀行もちょっことだけある株資産も住居も全ての生活基盤がアメリカにある状態で入国拒否に合う可能性があることに恐怖を覚えてしまいました。ちなみに拒否の理由は大体犯罪に巻き込まれているとか犯罪に関与したとかなので通常の状態ではあり得ないですけど・・・または長い事留守にしてしまった時(180日世界一周クルーズとかは気をつけないと笑)
9、ですが、年老いた親にグリーンカード取得して連れてきても殆どの社会保障から弾かれてしまうので、自腹で高額な民間の保険料を支払う必要があると聞いて途中から国を変えるのはお金がなければしちゃいけないことなのだと最近学びました。
アメリカ国籍取得後に思うこと
アメリカ国籍を取得したことでアメリカ人になったかというとそれはないです。
生活基盤の安定性が主な理由でアメリカ国籍を得ましたが私は何も変わってはいません。書類上どこに属しているかというのは私を私たるものに作り上げている何かに少なからず影響を与えてはいると思いますが決定的な影響を与えているとは感じません。
壊れかけの醤油煎餅の如く見た目は壊れてても味はしっかり変わらず醤油煎餅のまま
日本が嫌いになったわけでもない。
ただ自分の今後を考えた時に日本に戻って生活することはないだろうなぁ〜ってポロリと思い、アメリカ国籍を取ろう!って決断できました。
だからと言ってアメリカ人になったかというとそれもまた違う。
私は誰?
という問いかけは国を跨がずとも誰もが常にしていることでしょう。
日本を捨てたとか夢の国アメリカ最高とか思ってたりしませんしね。
日本側も不思議なもので海外に住んでいる日本人には扱い結構冷たいですけど、元日本人にはそれほどでもない。コロナ禍の水際対策時外国人(私は外国人)は入国できませんでしたが、家族が倒れた時には医師の診断書を提出して直ぐにビザ出してくれて帰国(入国)させてもらいました。確かに日本人としてよりは数日余分に掛かりましたが海外に住んでいる時点で何かに間に合う可能性は限りなく低くなると覚悟してるのでそれは想定内の遅れだと私は思っています。日本人でもコロナ陽性なら到着後強制隔離でしたから、パンデミックの最中はどうしようもないです。
ちなみに元日本人が日本に住むことは日本人の子として申請し許可されれば可能のようで親の介護などが理由で3ヶ月以上滞在も不可能ではないようです。アメリカからの年金額や資産額によっては特に理由もなく許可が出るのではないかな。
戸籍は喪失してますけど日本人の子である事は変わらないのでそれが理由で在留資格が取れるようになってます。
逆にグリーンカード保持者として日本の親の介護が長引いて日本滞在長期化してしまうとグリーンカードが取り上がられてアメリカに戻るのが一苦労になる、なんてこともあり得なくない。
そっちの不安がやはり私には堪え難いほど大きい。
アメリカでも居住年数の少ない移民は社会保障の対象外になるように日本でも同様ですのでお金に余裕のない時はあまり居住国を変えない方が良いようですね。
生活保障的には社会的なもの個人的なものどちらの観点からも居住国の国籍で在るのが一番良いと私は思っています。
日本人であり続けたいからグリーンカードのままという感情的な結論が当たり前だと思いがちですが果たしてそれが最善策で在るかは定かではない。
と、元日本人は考えているのです。