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批判覚悟で物申したい『はたらく細胞』映画レビュー
どうもこんにちは、映画大好き音楽家Marvyです。
今日レビューするのは、大ヒットを記録した『はたらく細胞』
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あらすじ
酸素を運ぶ赤血球(永野芽郁)や細菌と戦う白血球(佐藤健)など、37兆個もの細胞が人間の体内で休むことなく働き、その健康と命を守っている。だが、不規則で不摂生な日々を過ごす漆崎茂(阿部サダヲ)の体内では、劣悪な体内環境に疲弊した細胞たちが文句を言いながら働き、規則正しい生活習慣を身につけて高校生活を送る茂の娘・日胡(芦田愛菜)の体内にいる細胞たちは楽しく働いていた。
TVやネットでもかなり大々的に広告を打っていたので、この作品を耳にしたことがない人はおそらくいないでしょう。
僕ほんとに日本のエンタメに疎くて、調べてみたら累計発行1000万部を突破するほどの大人気漫画が原作になっているのね。
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漫画の方も今後機会があればしっかり見たい。
そして僕も何ヶ月も前から映画のチラシで見てたし、予告でも嫌というほど見てた。
(映画館にあるティーザーのチラシを集めるのが趣味の一つなんです…)
なんと言っても見どころは佐藤健・永野芽郁のW主演と、阿部サダヲと芦田愛菜ちゃんの再共演。しかも『マルモのおきて』と同じ親子役で再演って、ドラマ見てた人なら絶対テンションあがるやつじゃん。
そしてまぁ興行収入どれくらいなんだろうと思って調べてみたらほれ。
なんとワーナーブラザーズ邦画史上No.1を記録する52.6億円以上の興行収入
それでも観客は400万人弱って、やっぱり日本人って映画館で映画をほんとに見ないんだなって思う。
前に調べたことがあるんだけど、日本人の劇場視聴作品数って平均年1.1本。
いや普通にやばくない?よく映画館が潰れんなってレベルで見てない…
なんでかって僕みたいに毎週映画館に行く人がものすごい少ない割合であってもいる中で平均が1本… なんかここでも日本のデフレの深刻さが見えてしまう…サブスクの普及とかもあるからそれだけが理由じゃないんだけどね。
まぁ話は映画に戻すとして、表題から見てわかる通り僕はこの映画不満しかないです。原作ファンじゃないけどある理由があるんですよ。
まぁほんとに知名度がミジンコレベルもないほぼ一般人の僕が偉そうなこと言うと絶対叩かれると思うんですけど、これは叩かれたとしても絶対に言うべきだと思ったんでビクビクしながら書いてます。
本当はテンション感の伝わるYoutubeでレビューしようと思っていたんですけど、色々環境に変化があってNoteで出すことにしました。
もちろん完全否定ってわけではなく、あくまで批判なんで。そこだけ理解していただけると助かります。
早速行っちゃいますか。
感想
ネタバレなし
さっきも書いたけど、この映画に対して僕は完全否定なわけじゃない。もちろんいいと思ったポイントはたくさんある。
僕は"教養"としての役割を持つ映画であれば良作だ。体内の細胞に関することを子供でもわかりやすく、かつ楽しく学べるいいテイストだと思う。ただ、子供向けではあるので細胞について深い知識を植え付けてくれる物ではないのことは言っておく。
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僕たちの目に見えていない小ささの細胞のおかげで僕たちは生きていらえるし、自分の体を大切にしなきゃと改めて考えさせられるからね。
笑えるポイントも多かったし、各キャラクターの持ち味を特性に合わせて笑いに変えてるところが何より。
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©2024映画「はたらく細胞」製作委員会
主演以外の役者の割り振りは、かなりうまいんじゃないかな?
いわゆる客寄せパンダみたいな役柄の人はいなかったように感じる。
ここから僕の批判ポイントを言っていく。
僕は"エンタメ"としての映画で考えると駄作だと思う。
今はあえて強い言い方をしているので悪しからず。
詳しいことはネタバレ有りの方で書くけど、とにかく詰め込み過ぎ。
この映画って体内の話と親子の二本軸でストーリーが進んでいく。
なのにテンポ感と映画の感情の波が激し過ぎて訳わかんなくなる。
たたでさえ2軸で進むから、話が複雑化しやすいのにバランスが悪い。
だって体内で物語でかなり重要なファクターがおきているのにも関わらず、親子の話になると阿部サダヲが腹痛と戦うコメディパートに逆戻り。
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確かに体内で異変が起きていても僕たちは重症化しないと気付かない点で言えばこの映画の通りなのかもしれないけど、それでもバラバラすぎるよ…
それに加えてターゲット層がどこなのかが全く分かんない。
子供向けにしてはシリアスなシーンはかなり怖いし、かと言って大人向けかと言われても違う。ファミリー層で見るのもまた違う。
個人的には漫画が大ヒットしたからそれを実写化したらみんな来るでしょって言っているようなもんだよ。そして大ヒットしてるから会社側の考えてることが当たったわけだ。
個人的に言うならその前日に見にいった『ビーキーパー』の方が何倍も面白い。だけど映画の人気度を測る興行収入ではおそらく何十倍も差があるはず
『ビーキーパー』の映画レビューはこちら
何が悲しいって映画レビューを見たら、僕みたいにがっかりしてる人がほとんどいなくて、ほぼ絶賛の嵐なところ。
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普段邦画を見ない僕がこれを言うとものすごく棘があるように感じてしまうだろうけど、もっといろんな映画を見てほしい。
海外かぶれって言われてもいいけど、やっぱり本場アメリカの映画は規模感がすごい。大手配給会社の映画だけじゃなくて全体的にエグいんよ。
そんなこと言ってるけど、僕も邦画は年間数本は必ず見るようにしているからみんなもどうかいろんな作品を見てほしい。
そのためにもこの映画レビューをまだ認知度もないけれど続けていく予定。
ネタバレなしだとどこのシーンに不満を持ったのか、どこに魅力を感じたのかを書けないからそろそろ次に行こうか。
ネタバレあり
※ここからはネタバレ全開で感想を書いて行きます。まだ視聴されていない方で見たくない方はこれより下にスクロールしないでください。
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さあてネタバレありでガンガン行きましょうか。
まず最初の体内に病原菌がやってきて白血球が倒すシーンは良い。
佐藤健の『るろうに剣心』で培ったあの華麗なアクションと、おそらく1000人を超えるエキストラを使った大規模なセット。あの序盤だけでこの映画がどれだけお金が使われているかがわかるレベル。
僕は配給がワーナーだって知らなくて、映画が始まるときにワーナーのロゴを見てこりゃ制作費かなりかけただろうなってそこで思った。
そして案の定チープじゃなくてちゃんとお金を使って撮影をしてると思う。
その点に関してはマジでいいし、僕が邦画をほとんど見ない原因となった『バイオレンス・アクション』に比べたら褒めたい。
そしてこの血小板のシーン。もう愛おしいよね。マジで可愛すぎて一人でニヤニヤしてたと思う。この辺までは教養の部分も含めて良い映画だなと思ってた。
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僕がだんだん疑問を感じてきたのはインフルエンザのシーンから。
最初は良いと思っていた佐藤健のアクションシーンと、体内で描かれるコメディのシーンに早々から飽きてしまったんだよね。
この原因はおそらく体内という閉鎖的な設定だからこそ同じような場所での戦闘シーンが多くなってきたからと、先ほどもネタバレなしで触れたけど、2軸感での複雑さが仇となっていた気がする。
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そして何よりこのシーン。父親の体内での排便格闘シーン。
スクラムを組んで結果的に加藤諒が体外に排出される面白いところ。
ここでこの若手役者が出たときに、予告でまなちゃんが倒れた原因が予想がついてしまった。そしてこの赤血球がどうなるかも。
僕がその時思ったのは、おそらくまなちゃんは白血病を患うはず。そして父親からの輸血でこの若い赤血球がまなちゃんの体内に移動するって。
案の定そうなった。そして僕が冷めた理由がこの次のシーンだ。
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白血球が突然変異をして、体内の細胞を攻撃するようになる。
ここは子供にとってかなり恐怖を感じるシーンであったに違いない。
これまで病原菌や体内の細菌が死ぬときには、全く血を出さなかったのに、この白血球に攻撃されて死ぬときに血を演出で見せたんだ。
山本耕史演じるキラーT細胞が死ぬときの演出で僕は冷めた。
そこから御涙頂戴に見えてしまったし、コメディとシリアスが行き来するのを見て緩く感じてしまったんだ。
僕の思うこの映画の一番の功罪は予告で泣ける要素がふんだんにあると示したところ。おそらくあれがなければ白血病にあると予想もしなかったし、冷めることもなかったと思う。
僕はあの予告は見せすぎたと思ってる。
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話はまた良いところに戻るけど、献血と骨髄ドナーを促進することを映画にうまく落とし込んでいたところはよくやったと思う。
僕も2回だけ献血をしたことがあるけど、この映画を見て定期的にやるべきだなと思った。
だから何度も言うけど、教養映画と割り切ればこの映画は良い。
ただ大ヒットした映画を少し批判すると袋叩きにする風潮だけは無くなってほしいな。だって映画を見た感想は人によって違うからね。
それに映画って大衆娯楽ではあるものの、教養の有無によって見え方がかなり変わるものだから。(僕が教養があるって言いたい訳じゃない。)
僕もこれからもっとたくさんの映画を見て学ぶべきことがたくさんあるし、まだまだ知らないことが多すぎる。
僕が今思っているのは、おそらくアメリカでもこの映画は配信されるだろう。なんてたってワーナーが配給会社だからね。
そして映画に肥えている本場の人たちがどんな評価をするのかが知りたい。
みんなもこの映画についての評価をぜひコメントで教えてほしい。
Instagramでは、僕が見たすべての映画を5段階評価でストーリーにて投稿しておりますので、見ていただけたら幸いです。
音楽活動もしておりますので、応援していただければと思います!!
また次回の記事でお会いしましょう。