女性に於ける美貌の立ち位置。
女性…
様々な女性が、背景と事情を抱え、古風な社会通念の中で生きている。社会通念でさえもが、古めかしい。
美貌は、女性の場合、私は何の役にも立たないと思っている。
テレビ局では、そこそこに美貌のある女性がキャスターをつとめている。だが若い女性キャスターで、彼女は世間に一時的にもてはやされたりするけれど、よほどの努力をしなければ、たぶんいずれディスプレイからいなくなる。
男性は頻繁に女性の美貌を「ないよりかは、あったほうがいい」と言う。その歴史観の脆弱に、私はもう飽き飽きしている。ルノアールはバカだったために美人ばかりの肖像画作成で事足りた。当時の時代に迎合し、彼が果たして幸せだったのかどうか…
美貌だなんていう安っぽい小道具は、何の役にも立ちはしない。私はそう思っている。
あるとき、私が「美人は、好ましくない」とナースに言ったら、なんだか頭のおかしな人みたいに捉えられて、困惑した。
絵描きの人々が、やけに美人を重宝する。或る女性詩人が「絵描きってのが、創造の精神の中では、一番のバカ」と書いている。仮面を被った偉大な画家ももちろん含まれる。
私は絵描きでも詩人でもないけれど(絵も詩もまるっきり書けない)、優れた詩というのは分かる。
美人の女性? 何ら私は関心がない。