#21 リヨン、パリより先に訪れるとはおもってなかったよ(旅行記-前編)
とある日、マネージャーからのメッセージ。
「有給が7月末で消えるから、取得したかったら連絡してください」とのこと。
仕事を始めて2ヶ月弱、有給の取り方も何日あるのかもよく分かっていなかったが、消えるといわれると焦って申請した。
行き先については、航空券がそれほど高額ではなく(ホリデーシーズンでどこもかしこも高かった)、なおかつかねてより行ってみたかったラ・トゥーレット修道院にちかいフランスはリヨンにすることにした。
初のフランス旅行がパリじゃなくリヨンだとは予想してなかった。
わたしの場合、行き先がさだまっていない際は、Skyscannerで目的地を「すべての場所」に指定し、安く行ける場所&航空会社をチェックして旅先を決めている。
なにかほかにお得で便利な方法があれば教えていただきたい…。
ダブリンからリヨンまでは2時間ほどのフライト、時差は1時間なので実質3時間みたいな感じ。
リヨンの空港から市内へはローヌエクスプレスという急行を利用。
お値段は往復で26.7€となかなかの高額…!
ネットでチケットを購入、QRコードがメールで届く。空港の駅から出発する際は、乗り込む時に検札を受けた。
おおよそ30分ほどで市内中心部に到着し、そこからは地下鉄で宿泊先の最寄駅へ向かった。
宿泊場所については、安さを選んでホステルということも考えたけど、最終的にはAirbnbを予約した。
ダブリンではシェアハウスに住んでいて、とくに共有スペースの利用時など気を使うことが多く、旅行先でもまたきゅうくつな思いをするのもなんだかなあ、と感じたのがいちばんの理由だ。
エアビーは久々に使ったのでホストとのやりとりにかなりドキドキしたが、個人というよりは業者と提携して管理されている物件だったようで、予約もチェックインもスムーズだった。
泊まったのはトラバールと呼ばれる抜け道を有した歴史的なアパルトマン。
重厚なドアを開けて、螺旋階段をのぼって部屋へ向かうっていうプロセスがめちゃくちゃ非日常で楽しかった。
部屋の中は建設時のディティールを残しながらもとても綺麗に改装されていて、数週間滞在するのにも十分。
民泊として貸し出されている部屋以外はふつうに棲家として使用されていたけど、いったいどんな人たちが住んでいるんだろうとおもった。
7月に入ってからず〜〜っと雨で、夏はもうすでに終わった感のあったダブリン。
リヨンでは束の間の夏らしい夏、ちょっと湿気のあるむしむしとした空気を感じることができて嬉しくなる。
3日目にラ・トゥーレットに行くこと以外はノープランだったので、のこりの日程は街中をぷらぷらしたり、ビールを飲んだりすることに専念しようと決意(?)。
2日目にはフルヴィエール大聖堂(ノートルダム大聖堂)へ行った。
ケーブルカーも使うことができるけれど、写真を撮りたかったので宿泊先から坂道をひたすら歩いてのぼっていくことにした。
リヨンの街は中心部をはさんで西側にソーヌ川・東側にローヌ川と2本の川が流れていて、西側の川をはさんだ向こうは旧市街。
北西にかけて丘になっていて、階段が多いのもあいまって、イメージの中のヨーロッパと合致する。
その丘のてっぺんにあるのが大聖堂。
やっぱりどの街でも大聖堂とかっていうのは高台にあるもんなんだな。
入場は無料。
大聖堂はゴージャスな地上階と、地下のクライプトの2層にわかれている。
クライプトの暗ったくて質素な感じがとても好きだった。
大聖堂の横は展望台になっていて、リヨンの街を見下ろせる。
川の向こう側にあるのが中心街。オレンジ屋根にヨーロッパ風情を感じる。
もっと東側には高いビルもあるっぽい、新興街というかオフィス街みたいな感じなのだろうか。
この日はこの山登り(?)で疲れてしまい、降ってきた後はいくつか古着屋を巡ったあと疲れて夕方まで昼寝。
古着屋の写真は撮っていないのだけれど、行ったのは上記のところなど。
やっぱりダブリンと比べると安いし種類も豊富で質もいいのが多いなと感じた。
ダブリンで暮らす上の不満に、古着屋の乏しさ——というかファッションのカルチャーそのものの乏しさみたいなところがあったので、そこが満たされて嬉しい気持ちになった。
ダブリンだとみんなパーカー!スパッツ!よくわからない蛍光配色!ジャージ(ウィンブレ)!って感じの風雨から身体を守るためだけの機能性重視の格好なのでファッションもクソもないけど、さすがはファッションの国おフランス、穏やかな気候もあいまってか、道ゆく人々、おばあちゃんであっても素敵なコーディネートだったり、素敵な小物づかいの方が多くて目の養分になる。
夕方からはユニクロ行ってパブを3件梯子して、宿でゴロゴロしていたらあっというまに1日終わり。
まあめちゃくちゃプランがあるってわけでもなくただのんびりしたかったのでよしとする。
後編へつづく。