29歳。真似できない最強の武器。
自然体。
誰もが努力でできるものではない。
意識した時点で何だか下心を感じてしまっていた。
例えば評価を上げるための行動。
もちろんその行動は正しいし、人のために、会社のためにつながる。
よくよく分かってる。
ただ、そんな行動で溢れる空間に片足を入れたとき、すごく違和感があった。
目の前の業務に夢中になり評価され続けた世界にいたから。ただそれだけ。
きっと順応するのに時間が必要だっただけだ。
行動で勝ち取りに行くことが私にはとても難しい。
そんな風に思っていた私だったが、評価において「自然体」。
これが1番強いのかもと、最近勇気をもらった。
そのきっかけは会社から表彰を受けた親友。
その子は学生の頃から本当に裏表がなく、優しさ、気遣い、思いやり、共感力の塊だった。
人と何かが違った。好かれようと無理なんてしていない。
誰もが同じ印象を彼女には持っていた。
異常な平和主義者や野心家でもない。
不思議なくらいな「自然体」で、誰にでも寄り添いができる彼女。
「SNSは何だかこわいからやってないんだぁ〜」とTwitterもインスタも登録すらしない。
今の時代に流されない芯の強さもある彼女。
そんな彼女は、会社からの表彰にモヤモヤするという。
「表彰制度があるなんて知らなかった。」
「いつの間にか上司や周りが評価してくれ、社長までその情報が上がった。」
「そして、いつの間にか表彰される場にいて、何だか分からないままスゴくお偉い方々と食事をしていた。」
と、彼女は話してくれた。
「こんなスゴいことないよ!」と私の方が喜んでいたのだが、何だか腑に落ちないみたいだった。
「具体的なことって何したの?」と聞いてみる。
「うーん、言ってもらったのはお客様からのファンが多かったり、周りの人に気遣いをして先読みした仕事をしたり...かなぁ。」
彼女の言葉を聞いたとき、それって昔からやってくれてたことだ。と思った。
彼女がモヤモヤする理由もそれで分かった気がした。
だって全て「自然体」でやってきたこと。
彼女にとっては当たり前なこと。
評価されようと無理して勝ち取ったものではないんだ。
表彰とか評価って、もがいて努力して勝ち取りに行くものと勘違いしてた。
時には人と比べて安心なんかしちゃったり、落ち込んだり。
「イヤだな〜。」なんて思いながら頑張って向き合うものでしかなかった。
でも、彼女の表彰を聞いて今までの彼女の大好きな部分が評価される社会って温かい。
そして、「自然体」こそ誰にも真似できない最強武器だった。