ジョージアワインの友、クヴェヴリができるまで。[ジョージア修行記🇬🇪]
ガウマルジョバ👋
(ジョージア語でこんにちは)
どうも、東欧の国ジョージアで
ワイナリー修行を始めた青木です!
前回の自己紹介noteが思ったよりも反響があり、これからのクオリティに少しプレッシャーを感じています😅
まだ読んでないよという方はよろしければご一読ください✨
さて今回は、その自己紹介で登場した青木が「なんじゃこりゃ」と衝撃を受けたクヴェヴリ(ქვევრი)の話をしていきます!
以前、いろいろな伝手をたどりジョージアの西部イメレティ州はマカトゥバニへ、クヴェヴリ職人を尋ねに行ってまいりましたので、その様子もお伝えしていこうと思います
<クヴェヴリとは?>
ティハと呼ばれる黄金色の土に水を含ませて練り、イチゴのような形に成形し素焼きで仕上げたものになります。
このティハはジョージア東部のカヘティ州にも分布していますが黒い色をしているそうです。今度はカヘティのクヴェヴリ工房にもお邪魔したいです!
それを地下に埋めて潰したブドウを入れて発酵させたり、ワインを貯蔵するのに使います。
普通の家庭でも小さいクヴェヴリがあったり教会にあったりします。
<クヴェヴリの造り方>
クヴェヴリ職人の工房と共にお伝えしていきたいと思います。
ジョージア西部のイメレティ州、特にマカトゥバニと呼ばれる地域ではどこでもこのティハが取れるそうです。このティハも工房近くの山から運んできたそうです。
まず土台(底の部分)をつくります。これは100Lでも1000Lでも同じ大きさの様です。今回訪れた時にはすでに土台が完成してたためにどうやって作られたかは分かりませんでした🙇♂️
そのあとティハを練って直径7cmくらいの棒状にしていきます。これが結構、力の要りそうな作業です。やっていませんが、、、
次に土台のフチを石で上に削るように引き延ばして、のりしろをつくります。その後、棒状になったティハをひねりながら、そののりしろにひっつけていきます。2週目からはソフトクリームのようにクルクル周りながら棒状のティハを繋げていきます。
始めた時から大体20cmくらい(職人の手のひら1枚分)になったら一旦終了で、練り付けた部分が乾くのを待ちます。午前中にやって天気が良ければ午後に、大きなクヴェヴリだと1日はかかるそうです。
要は20cm進むのに1日かかるんです、、、
見学時に作っていたクヴェヴリは60L弱で大体120cmくらいなので1週間ないくらいで完成の予定だそうです。
できたものは窯へ運んで最後の仕上げに入ります。下の写真の赤丸部分、クヴェヴリを埋めた時に唯一地上に出る部分を上記と同じような手順で作り、あとは焼き上げるのを待つのみです。
モノの出し入れや作業をするために普段は釜の入口を開放していますが、焼く際は一回一回レンガを積み上げて壁を作るそうです。
残念ながらそのシーンはみれませんでしたが、機会があればまた見学しにいこうと思っています。
<見学しての感想>
これらのクヴェヴリ達の形や大きさは職人の目分量で全て決まっています。メジャーも水平器も使いません。
それでも狙ったリッター数に合わせていく姿に熟練とは正にこのことだなと思いました。
クヴェヴリを乾燥させる時は自然に任せ「こんな感じのそよ風が良いんだ」と言っていました。
彼の作るクヴェヴリは世界中から人気で注文してから2年はかかるそうです。
お金の面を考えると工房を広くして同時により多くのクヴェヴリを造り、送風機を導入してより早く乾燥させてと資本主義に毒されて育った人間としてはそう思いがちですが、そういうことじゃない、起きて半畳、寝て一畳。ということは意図してないとは思いますが、そんなことを感じました。
そして、何度も何度もゴンギという木のヘラでクヴェヴリの内側を凹凸がないように平していて拘りと熱意を感じました。
そこらへんにある素材で己の技術を詰め込み人々を魅了するものをつくる。文化的な側面と芸術的なものを併せ持った素晴らしい職業でした。
<おまけの話>
ジョージアではナンのように釜(トネ)に張り付けて焼くパンがあるのですが、ここではそのトネも制作しており1〜2時間の見学の際に3組もそのトネを買いに来ていました!
このナヅキはパンの中にレーズンとバニラが入っており卵黄を塗り焼き上げたもので、中毒性の強い甘いパンです!
行きと帰りで2つも食べましたが、今すでにもう一度食べたいくらいです😂
今回の記事では、少し長くなってしまったのでクヴェヴリ自体の魅力には触れられませんでしたが、次回それを語りたいと思います!
青木がなぜそんなにクヴェヴリが好きになったのか、はるか離れたジョージアまで来ざるを得なかったのか、きっと納得すると思います✨
では次回、楽しみにしてて下さい。
ありがとうございました。
დიდი მადლობა