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大人の習い事-茶道1

50代からの習い事

茶道教室での出会い

51歳で、お茶を習い始めた。実は、茶道を習うのはもっと先のつもりだった。しかし、ちょっと立ち寄ったお茶屋さんの奥さんとの会話から、自分の条件に合わせてくれる事がわかり、すぐにとりあえず行く事が決まった。
本来、月3回、土曜日の午後からだったが、私の仕事が土曜日もあるので、最初は月1からお願いした。
初めての教室には、私より少し年上のインテリな女性も体験に来ていた。
私達2人は、その日のお稽古ですぐにそこの茶道教室に決めた。私は、最初からそう決めていた。もう1人の方は、仮にNさんとしよう〜Nさんは、体験だったが、同じく通う事にした。
映画やドラマなどで見た事のある茶道教室は、先生のご自宅に通う感じが多かったと思う。しかし、私が通うことにしたそこは、お茶屋さんの2階の茶室である。階段を上がると広い板の間があり、そこに障子がありその部屋がお茶室だが、そこから入ってはいけないらしい。そこを通りすぎ、応接室にコートやら貴重品以外の荷物を置くように言われた。そして忘れてならないのが、白い靴下である。私は緊張していたので、粗相の無いようにそこで白い靴下に履き替えた。
そうして、お茶室の手前にあるお茶の準備をしたりする4畳くらいの和室に入る襖の外から「失礼します」と声をかけてみた。
「どうぞ、お入りください」と女性の声。他にも何人か私より若い女性達がいた。先生は、お年を召されていたが、昔はさぞかし美しい人だった事が想像される顔立ちだった。

私が和室で、自己紹介やらをしていると、遅れてNさんが入ってきた。真面目そうなメガネをかけた中年女性である。「遅れてすみません!」と大変申し訳無さそうに言われた。それは、私にとって貴重な出会いだった。Nさんの真面目さ、誠実さが、その後1年間の私の生活に大きな影響を与えてくれたのだから。そして、先生と若い先輩達との出会いは、大切な物となった。

お茶のお稽古に必要な物

お稽古に通う事が決まれば、最低限必要な物を揃えなければならない。
無くても、借りたら良いのだが、とりあえず帛紗(ふくさ)は必ずいる。それから、お茶用の扇子、懐紙にお菓子をいただくためのクロモジや菓子切りも買う。後の物は、徐々に揃えていく。最初は、それで充分である。前述したが、白い靴下は必須。これだけ揃えて1万円以下で大丈夫です。お稽古事は、お金がかかるので、予算を決めて計画的にしないとパート代でやりくるする私の場合は、大変である。それでも、自分の出来る範囲でなんとかなるものだ。
全て、お茶屋さんで購入できた。しかも、少しだけ割引をしてくださるので、それもありがたい!ちなみに、私のお稽古代は、1ヶ月3回で6000円。地域によって違うのかもしれないが、大体こんなものかと。

茶道を習う事になるとは!

大学生の頃、実家の母に近くにお茶の教室があれば習いに行けと言われたが、その時はそんな気分ではなかったし、堅苦しいのが嫌だった。あの頃は、バイトで精一杯で、大学院に進学を考えていたので、「お茶なんて」と思っていた。ただ、香道は高校生の時からしたい事だった。ずっと習いたい香道は、未だに習えていない。高校時代に揃えた安物の香道の道具は、ずっとしまったままである。ずっと習いたかった香道は、今後の私の予定では3年後くらいになりそう(^^)

私ってこんなにもの覚え悪かったかな?

私は、50代で新しい仕事を始めたけど、すぐ仕事を覚えたのに、お茶のお点前は、なかなか覚えられなかった。1つは、毎日できないからなのだが、とにかく、最初にNさんと始めた「割り稽古」でも、先生に何度も注意を受けた。お茶のお稽古は、初めからお点前を皆様の前ではできないのだ。

ふすまの開け方から歩き方まで

1番最初は、お客様の作法を簡単に教えてもらった。若い先輩の美しいお点前をみて、心がスッとして気持ちが良かった。これが、母が言っていた形通りにする事で、心がスッとするということなのか?と私は思いながら、お客様の作法である、お菓子の取り方から食べ方、お菓子が入っている器の回し方なども習う。
大切なのは、歩き方で、私は表千家なので、畳一畳を6歩で歩く。ややすり足気味で、畳のヘリや敷居は踏まない。そして、お茶席への入り方や、席に着くまで、とにかく全て決まりがある。これは、今でも首を傾げながら危うい感じだ。しかも私のお稽古をしている仲間達は、お話し好きで、先生も生徒のお点前を見ながら、世間話をするので、自分でわからない時には、「先生!いいですか?」と確認しながらである。

お点前をする前の割り稽古

テレビやお茶会でよく見るお点前をする前に、割り稽古を何度かしなければならない。
割り稽古は、帛紗のたたみ方から茶巾絞りや、お茶碗などの洗い方なども教えてもらう。どれも新鮮なことばかり。ある先輩は、お茶を習うようになり、食器を割らなくなったと言っていた。お茶のお稽古ではさほど高価なお茶碗を使用しないが、お茶会などで正客などになったり、とごかの個人宅のお茶会にお呼ばれした時などは、とても高価な茶道具を扱うことがある。そんな時、日頃のお稽古で培ったことが役に立つのだ。多分、そんな日は今のところ来ない気がするが、お茶会には何度か行って珍しい道具は見た事はある。まだ、正客さんになったことはないので、高価なお茶碗でお茶はいただいてない。
割り稽古の具体的なやり方は、YouTubeとかでご覧になればわかるので、割愛せてもらう。

Nさんと切磋琢磨

最初は、月に一度の稽古だったが、やはり正規の月3度にした。それはやはりNさんの存在が、大きい。
Nさんとは、着付けも一緒に学んだし、お茶会にも1度お出かけした。着付けの後に、いつも一緒にランチをしたものだ。故郷が九州で、私と一緒だった事も、なんだか親近感がありグッと気持ちも近づいた。そして、今週は、Nさんのお点前が綺麗だったけど、次の週には私が先生に褒められたりで、静かな戦いも、お互いを高め合う良い効果となった。
それにしても、とにかくお点前は難しいのだ。先週は褒められたのに、今週はけちょんけちょんに言われて、ぎこちない動きになり、とんだヘマをしたりする。なかなか上達しないが、何故か楽しいのだ。どんなに忙しくてもお茶には必ず行かなければと思う。それは、今の私の気持ちだが、最初はなかなか思うようにできなくて、やめたくなったこともあった。
今では、楽しい習い事だ。大人になってこんなに夢中になれるとは、思わなかった。

まだまだ続く奥深いお茶の世界

やっとお茶を習い始めて1年と9ヶ月。未だに美しいお点前はできない。薄茶だけではなく、濃茶のお点前も習い、やっと入門と習い事という最初のお免状もいただける事になった。
お免状は、修得したからいただくのではない。入門の場合はお茶のお稽古をしても良いですよ!ということで、この入門と一緒にいただくお免状の最初のものが、「習い事(ならいごと)」。これでやっとこれから深く教えてもらえるのだ。習い事八ヶ条のお免状が届いたら、いつものお点前に加えてちょっと特殊なことも教えて貰える。ワクワクだ!

私は、先輩がたのように帛紗も美しく畳めない。動きも綺麗ではなく、まだまだだが女性でいただける最後のお免状までほしい。それまで先生に教えてもらいたいと切に願っている。先生にはいつまでも元気でいてほしいものだ。そして、1年一緒にお茶を学んだNさん。彼女は、転勤で関東に赴く事になり、一緒に学べなくなったが、時々メールなどでやり取りをして、近況報告をしている。彼女との楽しいお稽古が今は懐かしい。実は、私にも後輩ができたのだが、なんと小学5年生の女の子。若い後輩は、1年もすれば私などすぐに追い越すだろうが、私は自分のペースで今後も続けたい。とりあえず、今回はここまで!また次回は、お茶のお点前やお茶にまつわる言葉について、もう少し詳しく書こうと思う。それではまた(^^)


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