続・やさしい関係
あえて本日のインスタライブの告知をタイトル前の画像に持ってくるという荒業に出た。
ひさびさに歌うのでボロボロかもしれませんが、物好きな方は是非ともご視聴くださいませ。
はい。
宣伝は終了したので今日の本題へ。
昨日(2024/8/16)の一コマ。
札幌の某ホテルにチェックインした後、かつて足しげく通った大学の書籍部へ行った。つい先日、思いがけず賞与を頂いたので(まさかもらえるとは思っていなかった)、早速本に溶かす。
村上雅人「解析力学」(飛翔社)
齊藤誠「教養としてのグローバル経済」(有斐閣)
内田浩史「金融(新版)」(有斐閣)
パスカル「パンセ」(中公文庫)
網野善彦「日本の歴史をよみなおす」(ちくま学芸文庫)
うん、決して無駄遣いじゃない。
それに本との出会いは一期一会だ。
ビビッときたらお持ち帰りしないと後で後悔するから(軍資金があれば)素数分の冊数を購入したい。
大抵は3冊か5冊のいずれかになるが、時には7冊購入することもある。
レジで会計を済ませた後、ずっしり重たい紙の本を抱えて歩くのは僕にとって、この上なく幸福な時間だ。
さすがに北海道といえど札幌の夏は暑いのでホテルに戻る前にカフェで休憩することにした。
一人先ほど購入した「パンセ」をパラパラとめくりながらアイスティーを飲む。
ふと僕のテーブルの目の前のカウンター席に座っている男女に目をやると何やらただならぬ雰囲気を感じた。決してパパ活とか不倫とかそんな感じではないけれど、訳ありそうなオーラを醸し出している。
それは僕と同じくらいのカウンター席の男性が女性(どういった関係かわからないので客観的な表記にしました)の指に触れると女性はすぐに手を引っ込めてしまう。
しかし女性の方は決して嫌がっている風ではなく、にこやかに男性の話を聞いている。まるで人目がつくところで自分の身体に触れてほしくないけど二人だけの時ならいいよ…という感じなのだろうか。
だがしかし、女性の服装はいたってシンプルないで立ちで、店内にいたカジュアルワンピースの女性客よりも素っ気なくデートの服装という感じでもないのだ。
とにかくこの二人の関係がわからない。
単純な恋人同士ではない。
かといって、やましいような感じでもない。
オドレイ・トトゥ演じるアメリみたく、色々な想像を膨らませているうちに僕は「パンセ」を目で追うだけになってしまった。
しかし、僕はある仮説に気づく。
もしかしたらこの二人も「やさしい関係」ではないのかということに。
ある種の誠実さを表すために人は誰かに触れる。
言葉だけじゃなくて触れることで自分の体温を相手に伝えようとする。
それは家族や恋人ではないにしても「やさしい関係」における交流の一環ではないのだろうか。
勝手に推測していると目の前の二人組は会計を済ませ店を後にしてしまった。
その女性のように肩ひじ張らず自然体なままの格好で一緒に出掛けられるような存在がいることに僕はちょっとうらやましいなと感じた。
今日も皆様にとって良い一日になりますように。
人間の研究を始めた時、数学が人間に適していない事に気付いて、数学を知らない人々より、数学に深入りした私の方が、遥かに自分の状態について迷っている事を悟った。
パスカル