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ある大学ノートから 2012/2024
昨日、長岡で送別会があった。
普段はアルコールを飲まないけれど気心の知れた方との食事会だったので料理に合わせて白ワインを嗜んでいたら案の定、絶賛二日酔いだ(笑)
頭が痛いので今日は過去に大学ノートに書いたものを再掲しよう。
多分、経済思想の講義ノートかな。
「資本主義的蓄積の歴史的傾向」とその「緩和作用」とはどのようなものか?
資本主義の発展とともに資本の蓄積・集中が進む。
すなわち少数企業だけが資本を増加させたり(蓄積)、合併などによって複数の企業が一つになる。(集中)これを資本主義の歴史的傾向と定義する。
この発達過程の中で、貧困、抑圧、隷属、堕落、搾取はますます増大していく。しかし同時に労働者階級の反抗も増大していくとマルクスは考察した。
これに対し、ベルンシュタインは、マルクスの蓄積論は傾向として正しいものの、その傾向に対して緩和的作用をもつ諸要素が増大していることを見落としている、と指摘した。「緩和的作用」とは例えば労働者の権利を認めるといった体制改良措置である。
緩和的作用が有効に働くことで歴史的傾向に帰結である暴力的な社会主義革命は起こりえない、とベルンシュタインは考えた。
ヒルファディングは帝国主義政策の経済的基礎をどのように考えたのか?
ヒルファディングは資本主義の発展傾向のなかで金融資本が発生する過程について考察した。
まず産業の動向として生産の集積・集中化が進み、固定資本が巨大になる。次に金融の動向として株式会社が発達し、銀行による固定資本融資がなされる。産業企業と銀行との金融的・人的結合によって「現実には産業資本に転化されている銀行資本」である金融資本が形成されるのだ。
金融資本の利害が帝国主義政策の基礎となる。
すなわち複数の企業がある特定の銀行を利用する結果、銀行による諸産業の支配がおこる。また産業企業相互間で競争抑制のためにカルテルやトラストが行われ内需による収益が減少する。その結果、海外輸出が増加し、さらに輸出保護政策のために植民地化が進む。
このように経済的利害の解消が政治的支配につながるとヒルファディングは主張した。
12年以上前の大学ノートの内容なので古いな~、懐かしいな~と見返して思った。でも経済学的なロジックというか考察の進め方は概ねこのような感じである。
考察する対象について定義し前提条件から、ある変化に対しどのような影響を及ぼすのかを考える。ミクロ経済学的な専門用語だと比較静学分析ということになるのかな。
興味のある方は入門書でもよいので手に取っていただければと思う。
今日も皆様にとって、良い一日になりますように。
ガイドボーカルなしで歌ってみました。
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