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読書録

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読んだ本の感想などです。
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#恐竜

読書録 「生きがいについて」

神谷美恵子「生きがいについて」(みすゞ書房) 書店や図書館で手に取った本の中で心に刺さる一文を見つけた時、生きていてよかったなと感じる。 本書はそんな一冊だ。 結局、人間の心のほんとうの幸福を知っているひとは、世にときめいているひとや、いわゆる幸福な人種ではない。かえって不幸なひと、悩んでいるひと、貧しいひとのほうが、人間らしい、そぼくな心を持ち、人間の持ちうる、朽ちぬよろこびを知っていることが多いのだ。 人間の存在意義は、その利用価値や有用性によるものではない。 野

Progress

昨日の小林快次先生の著書の中で勇気をもらえる言葉があったので紹介させて頂く。 思えばそれまでのぼくは、目の前に高い壁があらわれたら、迷わず回り道をする人間だった。しかし、どうすればその壁を乗り越えられるか、のぼるべきか横からまわりこむべきか、徹底的に思考をめぐらせて壁にくらいついた経験は、これが初めてだった。 研究室のジェイコブ教授はよく、こんな言葉を口にしていた。 「もうアイデアが出ない、というのはうそだ。ずっと考え続けていれば、だれでも必ず優れたアイデアに到達する」

読書録「ぼくは恐竜探検家!」

小林快次「ぼくは恐竜探検家!」(講談社) 図書館の新刊コーナに置いてあった中学生向けの図書。 “ファルコンズ・アイ”=「ハヤブサの目を持つ男」と称され、日本一の恐竜化石といわれる「むかわ竜」を発掘した恐竜学者の小林快次教授は、僕の母校の総合博物館で研究に携わっており、学内でもたびたび話題になっていた。 華やかな経歴の陰には知られれざる挫折経験があったことに本書を読んで初めて知った。 アメリカの大学院に留学した際、こんなエピソードがある。 自分は研究職に向いていない。知