自閉症児の学校生活には欠かせないソーシャル・ストーリーとは何か
私の勤めるアメリカの特別支援学校ではソーシャル・ストーリーが欠かせません。これなしでは学校生活は進まないというくらい多くの生徒にとって重要なものです。
ではソーシャル・ストーリーとはなんでしょう。
ソーシャル・ストーリーとは、特に自閉症スペクトラム障害を持つ子どもたちに対しデザインされた短い物語で、ソーシャルな場面で期待される行動をシンプルに表現し、日常的な生活、人との交流、新しいシチュエーションにスムーズに対応できるよう、心の準備と理解を促すツールです。
例えば・・・
年度の途中でスタッフが入れ替わった
学校でのルーティーンが変わった
家庭環境に変化があった
軌道修正したい行動がある
などなど、多くの状況で取り入れられます。
ざっくり言うと、
社会的もしくは日常的な困難により感情が揺さぶられるであろう状況が予想される時、そこを先回りして似たようなお話を作り、子どもたちに状況と感情の理解をうながす
とか、
社会的に適切である行動を促したい
という時に使えるツール・取り組みです(超絶わかりにくい説明ですみません!)。
絵本とはいってもそれはそれはシンプルなものです。プリントしてホチキスで留める。そんな感じの本。写真や絵を使い、文章は出来るだけシンプルで短く。私の学校の場合はスタッフ、セラピスト、ソーシャルワーカーなど、その子どもに関わるあらゆる人が必要に応じて作ります。
キャロル・グレイという方が1990年代にソーシャルストーリーという概念を作ったのですが、さすが彼女のサイトには分かりやすく説明された動画がありました。おすすめです。
そしてソーシャル・ストーリーは手作りに限りません。出版されている本もあります。
鼻をほじる生徒は多くいます。はい、学校にはむちゃくちゃ多くいます。でも公の場では適切ではない行為です。そんな時はソーシャル・ストーリーの出番です。
鼻はなぜほじらないのか。鼻はなんのためにあるのか。
みたいなことをシンプルに、わかりやすく説明してくれます。こういった暗黙の了解的なことをちゃんと分解して説明してくれるのです。ありがたい!
こういった日常生活の行動や、社会的状況、感情の理解を助ける本はアメリカにはたーーーーーーーっくさんあるので、今後も紹介していきます。