【評価】リハビリの効果をちゃんと測定できているか?
こんにちは。
BRAINの針谷です。
昨日、『評価の基本!〜その検査・測定は〜大丈夫?〜』というテーマで勉強会を開催しました。
私たちが何気なく行っている評価ですが、そもそもそれが正しく評価できているのか?という疑問を投げかけてくれるような内容でした。
評価は患者さんの変化を捉えるもの
私たちセラピストは評価を『患者さんの変化を捉えるもの』として使っています。
例えば、痙縮の評価であるModified Ashworth Scale(MAS)で3から2になったら改善したと判断する、というイメージです。
または、日常生活動作の自立度を判定するFunctional Independence Measure(FIM)で90点から100点になったら自立度が向上した、というイメージです。
こんな感じで、患者さんが変化したのかどうかを評価結果から考えます。
評価指標は正しく変化を捉えているのか?
ただ、『評価指標は正しく変化を捉えているのか?』という疑問が残ります。
そもそも評価指標の性能が低く、ちゃんと患者さんの変化を捉えられないものだとしたら…
『そんなことないでしょ』と思われるかもしれませんが、誰しもが『自分が評価した結果と先輩が評価した結果が違う』という経験をしたことがあると思います。
同じ評価指標を使っていても、誰が評価するか、いつ評価するか、といった条件によって結果が変わることがあります。
評価指標の性能を表す信頼性・妥当性・反応性
このように評価指標には性能があります。
理想的にはいつ、誰が、どのような状況で使ってもきちんと患者さんの状態を捉えられることが理想ですが、上述の例のように、必ずしもそうとは限りません。
評価指標の性能を判断するための指標として、信頼性・妥当性・反応性というものがあります。
信頼性や妥当性、反応性が高い評価指標は、いつ、誰が、どのような状況で使ってもきちんと患者さんの状態を捉えられる可能性が高いです。
ですので、なんとなく評価をするのではなく、そもそも『性能が優れた評価なのか』という視点を持って、自分が使う評価指標を選択する必要があるということです。
言い換えると、性能が低い評価を使ってしまうと、ちゃんと患者さんの変化を捉えられない可能性があるということです。
変化を捉えられなければ、患者さんに適したリハビリプログラムを立てることができません。
私たちセラピストは、『1ヶ月前よりもよくなったからこのプログラムは変更しよう』のような意思決定をしています。
1ヶ月前・後の状態を正しく評価できなければ、リハビリプログラムを変更すべきかどうかの判断ができません。
…なので、性能の優れた評価を使おう!ということです。
性能の優れた評価とは
では、どういう評価指標を使えばいいのでしょうか?
信頼性・妥当性・反応性全てが完璧な評価指標はあまりないですが、全体的に優れていて世界的によく使われる評価指標はあります。
脳卒中リハビリの評価指標を下記に示します。
上肢の運動障害で押さえておきたい評価指標
● Fugl-Meyer Assessment Upper Extremity
● Action Research Arm Test
● Wolf Motor Function Test
● Box and Block Test
● Nine Hole Peg Test
● Motor Activity Log
歩行障害で押さえておきたい評価指標
● 歩行速度
● 6分間歩行試験
● Functional Ambulation Categories
● Fugl-Meyer Assessment Lower Extremity
● Berg Balance Scale
● Balance Evaluation Systems Test
● Timed Up and Go test
嚥下障害で押さえておきたい評価指標
● 水飲みテスト
● Mann Assessment of Swallowing Ability
● Penetration-Aspiration Scale
● Videofluoroscopic Dysphagia Scale
● Dysphagia Severity Rating Scale
● Functional Oral Intake Scale
評価指標の検索はこちら
https://www.sralab.org/rehabilitation-measures
少しでも役に立つ情報になれば嬉しいです!