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EBPは “代償動作” を獲得させるだけ?

こんにちは。BRAINの針谷です。

Instagramでご質問をいただきました。

内容をざっくり言うと『EBPは代償動作の獲得を通して検査結果をよくしているのでは?』というもの。
もっと丁寧な言い方でしたが…)

これはEBPに対するよくある誤解なので、解説します。

EBPによって客観的な評価指標が改善する

脳卒中患者さんへの上肢のリハでは、CI療法・課題指向型訓練・電気刺激・ミラーセラピーが有効なリハビリです。

これらのリハビリが何をもって有効とされているかというと、FMAUEやARAT、BBTなどの『数値に起こせる評価』の結果が改善した、というデータです。

例えば、

● CI療法でARATの点数が上がった
● ミラーセラピーでFMAUEの点数が上がった
● 電気刺激でBBTの得点が上がった

など。

では、ARATやBBTなどの評価がどういうものかというと『課題ができれば得点が与えられる』という評価です。

例えば、

● コップの水を移せれば3点
● ビー玉をつまめれば3点
● ブロックを1個移動させるごとに1点

…のようなイメージです。
(実際はもう少し厳密です)

なので、代償動作だとしても、課題を遂行できれば点数が加算されます。

これが誤解を生むポイントで…

『代償動作の獲得で点数が上がってるんじゃないの?』

…とよく言われます。

実際、そういうケースもあります。

でも、だからと言って『CI療法や課題指向型訓練は代償動作を獲得するだけ』というのは勘違いです。

動作の改善には "量的な改善" と "質的な改善" がある

● 量的な改善というのは、『ARATの点数が上がる』とか『BBTの点数が上がる』ということ。
● 質的な改善というのは、『病前のような動作のやり方(いわゆる正常動作)を獲得する』こと。

そして質的な改善も 3次元動作解析機などを用いて “運動学的分析” を通して評価可能です。

当然ながら質的な改善も報告されている

CI療法や課題指向型訓練については運動学的分析を通して『動作の質を改善する』というエビデンスがあります。

つまり『量も質も改善する』ということです。

一方、いわゆるエビデンスが少ないリハビリにおいては量・質ともに改善したという報告がほとんどありません。

つまり、『エビデンスが豊富なリハビリ』は量・質ともに優れているということです。

● できることを増やしたい(量)
● なるべく正常な動作に近づけたい(質)

患者さんのいずれのニーズにも応えることができます。

専門家として成長するために、まずはエビデンスの豊富な基本的なリハビリを習得しましょう!

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