リスセクシャルかもと思ったけど違うかものこと
自分のセクシャリティについて考える、ということを実はしたことがなかった。生きていて特に違和感も困ったこともない特権側だからではあるのだが、改めてちょっと考えてみたりしたら、「リスセクシャルかもしれないと思った。けど違うかも。」と思った話を書こうと思う。
まず、自分はシスジェンダーでヘテロセクシャルである。女子校に通っていた中学生時代、部活の先輩(女性)に淡い恋心を抱いていたから、バイセクシャル?とも思ったが、以降恋愛対象はずっと男性だ。なんとなく、先輩への恋のような感情は、私の場合、セクシャリティとは別の話な気がしている。男性がやや苦手だったので、なんだろう、男性的な気持ち悪さを持たないのに、男性的なかっこよさがあって、気持ち悪くない異性(本当は同性なのだが)みたいな感じで憧れるのにとても都合が良かったのだ。恋はしたいけど、リアルな異性は気持ち悪いし、性的なこととか気持ち悪い。恋のように憧れることはできるけど、あくまでファンタジーで性の香りが皆無な「同性の先輩への憧れ」は無害なロマンスだった。恋している気分を味わっていただけで、恋ではなかった。
その後シスヘテロ特権よろしく、恋人ができたり夫ができたり子どもができたりしているので、なんの違和感もない…と思っていた。でも、今まで付き合ったからにはその恋人と寝るのが普通ということにすごーーく抵抗があった。ずっと。大好きな相手でも、最初の何回か、いわば寝初めは本当に抵抗があった。今メロメロラブフォーエバーな夫とも、だ。好意は嬉しいのに、性の香りがすると途端に気持ち悪くなるのがいつもだった。(でもその後回数を重ねていくと大丈夫になる、ダメなのは寝初めだけ。)
長く付き合った元彼と別れてフリーになった時、私は解放感から「悪いこと」がしてみたくなった。「セフレ」とか、「ワンナイト」とか悪そうでいいな、みたいなワルへの好奇心の芽生えである。頭悪い。頭悪すぎて恥ずかしいが、悪いことがしてみたかったのだ。でも、結果できなかった。詳細は省くが、いざ「悪いこと」しようとすると気持ち悪くて無理なのだ。良い子ぶってるわけでも清純ぶってるわけでもなく、本当に心底生理的に無理!!!だった。いろいろ努力したけど無理だった。どこに努力してるんだ。とにかく性的なことが絡むと途端に気持ち悪かった。でも、セックスが嫌いなわけじゃないんだよなぁ。セックスが嫌いじゃないし、悪いことしてやるぜと言う気概を持ってしても、他人と寝ることが終ぞできなかった。
こういうのってなんか名前ないのかな?と探していたら出会ったのが「リスセクシャル」だ。
(↑AセクAロマ部、とても勉強になる良サイト)
「でも違うかも」と言うのが、この話の肝だ。
アセクシュアル・スペクトラムやリスセクシャル等を判断するうえで、性嫌悪は指標にはならないらしい。(便宜上、アセクシュアルについての引用が多いがリスセクシャルにも当てはまると思う)
私の場合は、「性嫌悪」が大きいように感じる。(「性嫌悪」は「セクシャリティ」の判断指標にはならない。)性嫌悪から、男性苦手なのは、確実にありそう。
一般的に性嫌悪の原因は主に「社会的要因」「心理的要因」に加えて「タブー視」もある。私の場合はその全ての要因に起因する、「性嫌悪」であって、「リスセクシャルは近いと思ったけど違うかも」と言うのが結論だ。
心理的要因である性被害には思春期めちゃくちゃあった。通学路には露出狂がよく居たし、電車での痴漢は中学生男性から高齢のおじいさんまであったし、予備校に向かう道では援交の交渉にあったし、ドンキホーテ店内で痴漢されたひとには追いかけ回されて道ゆく人に助けてもらったこともあるし、電車から最寄り駅までガン見しながら着けまわさてコンビニに逃げ込んだらコンビニの外でずっと待ち伏せされて店員さんが警察呼んでくれたこともあった。痴漢を捕まえたら、お金渡してこられたこともある。土下座させてお金はビリビリに破いて投げつけてやった。こういうこと言うと、でもあなたが可愛いからそういう被害にあうんじゃないかとか的外れなことを言われることがある。そしてこちらも性被害を、異性モテ(?!)アピールじゃないことを強調するために、わざと不必要にへりくだって、「ああいう人は反撃してこなさそうな大人しそうな人を狙うんだよ、可愛い人は狙われないよ、むしろ芋っぽくて舐められやすいだけだよ」みたいなこと言うハメになったりしてな。ははは。
そういうわけで、私が好意を抱いていて、信頼できる、行為の回数を重ねた、特定のひとり(パートナー)以外とは寝ることができないのは、性嫌悪な気がしている。
リスセクシャルとはちょっと違ったかも、どうだろ。 特定の強い絆のある相手にのみ性的魅力を感じるという点ではデミセクシャル寄りかもとか思ったり。でも違うかも。の永遠ループ。笑 ちなみに同性の友達にベタベタされるのも、結構生理的に無理だ。
白黒つけなきゃいけないことでもないしグラデーションのあることだと思うから、今は名前はつけないが、これがわたしのセクシャリティである。