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|Aug. 2023|積ん読はまだ遠くへ
高校生のとき、はじめて池澤夏樹の『夏の朝の成層圏』を読もうと本を手に取った。大学生のときは『南の島のティオ』を読もうとして同じように本を手に取った。とても読みたかったのにどうも表紙を開く気分になれず、またその気になっても、どうしても夏うちに読みたいと思って本棚に戻した。しばらくすると、その読書熱は収まって、そしてまた読みたくなって・・・。時間が経つので読もうと思ったときには(結局読まないのだが)手元になく追加で買って、夏に新幹線に乗ると駅の書店に寄っての繰り返しで同じ本が何冊もある。
今年の夏、ついにようやく『南の島のティオ』を読むことができた。いつもはまとめた時間を読書に充てるのだが、短編集ということもあってあっという間に読み終えた。さあこの勢いでもう一冊読むぞ、そう思ったが不思議なものでなかなかページが進まない。不思議なもので、他の本は変わらず読める。作品や文体が苦手なわけでもない。完全な気分の問題。結局、2ページだけ読んだところで今年の夏が終わろうとしている。15年ほどかけてこの2冊を読んでいるので意地でも秋に読むつもりはない。
今のところすぐに出せたのは『夏の朝の成層圏』が2冊、『南の島のティオ』が1冊。これ以上は同じ本が増えないように願うばかりだ。