落ち込んでいる時こそ、感謝が必要
感謝とは何か?なぜ重要なのか
気分が沈んでいる時、やけ食いをしたり、飲みに行ったり、、買い物や自分を甘やかす方法を選ぶ人は少なくないです。またそう言った行動が肯定されてもいます。
しかし落ち込んでいる時こそ、感謝を実践することが重要となります。心を高め、幸福感を増すための健康的な落ち込んだ気分の対処法です。感謝は落ち込む原因となったことを意味のあることに変え、今からまた新しい一歩を進む原動力となります。「ありがとう」にはその言葉の意味以上の力を持っています。感謝が自分自身の世界を見る目線を変えるブレークスルーになるのです。
しかし気分が落ち込んでいる時にどのように感謝をすればよいか?なかなか難しいです。そこで感謝の重要性、他者への感謝の表し方、そして感謝を増やすための方法について説明します。
感謝の意味と定義
感謝は、幸福感や感謝の気持ちを感じる感情とされています。具体的には、幸運な出来事や贈り物に対する感謝の感情です(American Psychological Association)。感謝は一時的な状態でもあり、長期的な性格特性でもあります。感謝の感情は、人生の良さを認識し、その良さが外部から来ていることを理解することから始まります。
The Effect of Expressed Gratitude Interventions on Psychological Wellbeing: A Meta-Analysis of Randomised Controlled StudiesのRobert Emmons博士によれば、感謝のプロセスには2つの段階があるとのこと。
人生の中で良いことを認識する
その良さが外部から来ていることに気づく
感謝は、これらの良い出来事がどのようにして自分に届けられたかを認識することできます。このことが結果として、自分の人生に豊かにしてくれます。
感謝とポジティブ心理学のつながり
ポジティブ心理学は、ポジティブな思考や行動に焦点を当てていますが、その中で感謝も重要な要素です。セーリングマンのPERMAモデル(ポジティブ感情、関与、関係、意味、達成)では、感謝が主要なポジティブ感情の一つとされています。感謝を実践することで幸福感が向上し、精神的および身体的健康に良い影響を与えることが示されています(Emmons & Crumpler, 2000)。特に、感謝は対人関係の強化に役立ち、感謝を受けた人は他者を助ける意欲が高まります。
落ち込んでいる時こそ感謝が重要な理由
落ち込んでいる時はそっとしておくや共感する寄り添うと言った行動を周囲からされます。当然ひとりでいる時間も必要です。しかしあまり長いと落ち込んでいた人の孤立を生み、今までの関係性からネガティブに変化したつながりに変化してしまうことがあります。
そのため、そうならないためにも落ち込んでいる家族も見守る家族もそれぞれ支え合う必要があります。
感謝は、日常生活の中で良いことを見つけ出し、それに焦点を当てる力を持っています。感謝を実践する人々は、より高い人生満足度を持ち、他者に対しても積極的に行動する傾向がある研究結果が出ています。
感謝は幸福感を高め、人生に対する前向きな見方を促進し、ストレスを軽減します。また、感謝は自己肯定感を高め、他者との関係をより深いものにする効果もあります。
感謝の重要性
感謝は、個人の幸福感と密接に関連しており、感謝を示すことは社会的、感情的、心理的な健康にも良い影響を与えます。感謝を表現することで、人々は助けを受け入れ、その後に助けを返す傾向があります。また、感謝は個人だけでなく社会全体にも恩恵をもたらします(Bono et al., 2004)。宗教的にも感謝は重要な要素であり、多くの宗教で感謝が強調されています。
仏教 - すべてのものが相互に関連しているという考え
ユダヤ教 - 朝に神に感謝する短い祈り
キリスト教 - 神からの祝福に対する感謝の表現
落ち込んでいる時こそ感謝が必要
落ち込んでいる時こそ感謝が必要である理由は感謝そのものが持つ力、幸福感をあげ、自己肯定感を高めることに繋がります。
落ち込んでいる本人が感謝をする
何かに失敗した時や周りに迷惑をかけた時、対人関係で誤解が生じた時、大切な人を失った時などが落ち込むきっかけになることが多いです。
こういう場面で特に日本人は迷惑をかけた人に申し訳ない気持ちになったり、被害を被った人に怒りを覚えたりします。この感情を無くすことは難しいですが、環境を準備してくれた人やそれまで協力してくれた人など多くの感謝ポイントがあります。
感謝ノートに書いたり、口に出して言ってください。すると自分は1人ではない、落ち込んだ理由は無くならないが、あくまで結果であって何かを怠ったわけではないという前向きな気持ちが徐々に芽生えてきます。
感謝する本人にありがとうと伝える方がより効果が高まりますが、気分が落ち込んでいる時には直接感謝を伝えることは難しいため、無理する必要はありません。
落ち込んでる人を感謝する
落ち込んでいる人に寄り添う、気持ちに共感するということは得意であっても、雰囲気的に感謝することはなかなか難しいと思いますし、勇気のいる行動です。
しかし家族の中でどんなに落ち込んでいても「あなたが私と一緒にいるだけで私は幸せなんだ」ということだけでも感謝につながります。
ましては家族同士、落ち込んでいる理由についていろいろ聞いたとしても、例えば夫婦の場合、「そんな辛いことがあったんだね。大変だったね。」で終わらせるよりも、「そんな大きな悩みを抱えていながらも、私には良い夫でいてくれて、子供には良いお父さんでいてくれてありがとう。」と伝えるだけで、自分を必要としてくれている場所を思い出します。
いつもと同じように過ごしていることで、当たり前となり感謝が少なくなってしまうことは最も近い関係性である、家庭の中では良くあることです。このことが落ち込んでいる時には非常に辛く孤立や孤独を感じてしまう要因となってしまいます。日頃から感謝を伝えることで家族に孤立や孤独を産まないようにすることが家族円満につながり、さまざまなことが好転していくきっかけになります。
家族が落ち込んでいる時、今一度家族同士の感謝がされているかを考えて、自分から率先して感謝を伝える習慣を作っていきましょう。