「食の安全保障」に必要なものは?
SNSでフォローしている謎の編集者「河村書店」さんお勧めの、小林寛史著「グローバル世界の日本農業」(作品社、2022年)の読書メモを共有します。
◇この本は何?
・アジア農業協同組合振興機関(IDACA)の常務理事を務める小林寛史(1963~)さんが、これまでの仕事を通じて学んだことを体系的にまとめたもの。
・第一次世界大戦以降の「グローバル世界」が、日本の農業に与えた影響と今後について考察したもの。
・日本の農業の国際化に貢献した荷見安(はすみやすし、1891~1964)の遺言である「世界を結ぼう農民の手で」を語り継ぐために想いを込めたもの。
◇なぜ「世界」とつながる必要があるの?
・変化する世界情勢に対して、日本の農業も影響力を与えなければならないと考えるから。
・アジアの農業者が共通課題について連携して取り組むことで、国家間のルール作りに一石を投じられると考えるから。
・農業者の国境を超えた繋がりが、地球規模の「気候変動」や「貧困の解消」「農村・都市の生活の質向上」「食の安全保障」の確立のカギを握ると考えるから。
◇「食の安全保障」に必要なものは?
・著者はWFO(世界農業者機構)の政策文書を引用し、農業の「生産性向上」と「強靭化」が必要だとした。
・そのためには「農業の特性への理解」や「資金供与や投資の増額」「強靭化やリスクマネジメントの政策策定」の他、農業が炭素貯留能力があることを認めること、ジェンダーに配慮した能力強化などを確保する必要があるとした。
・また、農業分野も「国境を越えてつながりあい、学びあい、助け合い、高め合い、フェアプレー精神で競い合い」ながら社会を支えていくことが大切だとした。
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