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「受験勉強」を始める前に取り組みたいこと @ 中学受験

中学受験の勉強を始める時期については、私たちの考えを書かせていただきました。

しかし、誰でもその時期から始めれば問題ないと言い切れるかというと、そうとも言い切れません。
子供たちには個性があり、成長のペースも違います
やはり、中学受験の勉強を始める前に、身に付けていることの差が生まれているのは現実です。
それであれば、「先に身に付けさせておいてあげたい」と思うのは、親心だと思います。
では、「これだ!」という絶対的な取り組みがあるかというと、その答えがあるわけではありません。
故に、ここでは私たちが受験に向けて必要だと思う能力をお伝えします。

それは、「絵を描く」という能力です
上手い下手の実力は関係ありません。
ただ主体的に「絵を描く」という動作を自然に行えることが重要です。
なぜ「絵を描く」能力が必要かというと、それは「言葉」の本質に関わるからです。
「言葉」とは、その物事を絶対的に表していません。
あくまで、人間が他者と認識を共有するためのツールに過ぎないのです。
「言葉」の意味の大枠は概念として存在します。
しかし、誰かがその「言葉」を使ったときの認識はその人の固有のものとなり、その認識は他者にそのまま受け入れられることはありません。
そこには、どこまでいっても、常にズレが生じているものなのです。

そんな「言葉」の本質を念頭に置きながら、子供達に国語を教えていると、どうも子供たちは、その「言葉」が表している現象を頭の中でイメージできていないのではないかと感じられることが多いです
「言葉」には意味があるのに、「音」だけで捉えている感じがするのです。
同じように「文字」にも意味があるのですが、「形」だけで捉えているように感じることがあるのです。
子供たちは、「言葉」が恣意的なものだということを理解していないので、どうやら「言葉」の意味を自分で作り上げるという作業をしていないようなのです。

それが、「勉強」の難しいところです
子供たちにとって、目の前であるものを見て名付けていくことは容易なのですが、目の前に無いものを名前から理解していくことは非常に困難なことになるのです。
「勉強」とは、「言葉」からまだ見ぬ物事を論理的に理解することを求めてきます。
しかし、子供たちは生まれてから「勉強」を始めるまで、基本的には目で見たものに名前を付けることで世界を広げてきたのですから、当然戸惑います
寧ろ、その戸惑いは成長に繋がるので、戸惑えば儲けものなくらいです。
しかし、「言葉」の本質を教わっていない大半の子は、実際は自分が何をやっているのかわからないまま、「形」や「音」だけ頭に詰め込む「勉強」を、苦行のようにして行っています。
中学受験で成績を上げられない子は、大概そういう課題を抱えています。

そこで、「絵を描く」能力を育てることが大切なのではないかという結論に戻ります。
それは、自分の頭の中にあるイメージを具現化させる経験値を増やすことが大切だからです。
具現化するという意味では、陶芸や彫刻でも良いと思います。
言葉ではない別のもので、自分の頭の中にあるイメージを造り上げるという経験値を増やすことが大切だと考えています。
「言葉」に対したとき、頭の中にその現象をイメージできる子は、全ての教科での知識の吸収力が高く、またそれを活用した応用力が高い印象です。
「言葉」が先にあるのではなく、まず「物事」が先にあります。
その「物事」の存在を理解し、頭の中に描くことができて、はじめて「言葉」は意味を持つのです。
子供たちには、「受験勉強」を始めさせる前に、まずそのことを理解させることが重要で、頭の中で言葉になる前のイメージを作り上げる力を養うことが大切になるのです

ちなみに、「算数」の問題を解くためには、問題に書かれている現象を頭の中に描くことが重要になります
故に、「絵を描く」という能力と密接に繋がっていると考えています。
その意識を持っていない子は、「算数」で躓くことが多いです。
そこで私たちは、その課題に取り組む取り組みも行っています。
もし、「算数」でお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽に御相談ください。


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