ゲーム職種紹介~デザイナー編~
【3Dあるある】Altキーが機能しないと詰む。
どうも初めまして、詠(よみ)です。BOX:のデザイナーリーダーをさせていただいております。
前回前々回と引き続き、今回はデザイナーの仕事について紹介させていただきます。こういった記事の執筆はあまりやったことがないので温かい目で見守っていただければ幸いです。
1:はじめに
さて、デザイナーについてですが、正直な話私自身も「なにしてんのか分かってない」っていうのが現状です(どーん)。といいますのも、デザイナーと一括りにいっても業務内容は多岐に分かれているからです(詳しくは後述しますが)。
また筆者は如何せん3Dの人ゆえ記事の内容に偏りが出てしまうと思うので、あくまでも「こういうデザイナーもいるよ」くらいのイメージでお読みください。
2:デザイナーとは
多岐に分かれていると先述しましたが、全体で共通している内容は「目に入るものを作る」ことです。
じゃあ具体的にどう業務区分がなされているかについて説明していきます。
2Dデザイナー
その名の通り「2D(平面)のデータを作成する人」です。
分かりやすい例を出すと、ゲーム内の立ち絵やイベントスチル、キャラクターや背景のデザインなどはこの2Dデザイナーが作成してくださります。
またイラストのみならず、UI(ユーザインタフェース)と呼ばれる操作用のアイコンを作成するUIデザイナーもこちらに分類されると思います。
ざっくり言ってしまえば「絵を描く人」って感じです(本業の方にしばかれそう)。
3Dデザイナー
先ほどの2Dに対してこちらは「3D(立体)のデータを作成する人」です。2Dは「ピクセル」と呼ばれる点で画が構成されるのですが、3Dは「ポリゴン」という面を扱って物を作り上げます。
3Dは2Dとは違って、複数の人が関わって1つのオブジェクトを作成します。
まずモデラー。2Dデザイナーが考えたデザインラフに基づいて、多方向から見ても違和感のないデータに仕上げていきます(モデリング)。また、3Dモデルにテクスチャと呼ばれる絵を貼ってより一層説得力のあるオブジェクトに仕上げていきます。
次にアニメーター。動物は動くために骨と筋肉が必要ですよね?3Dも同様に「ボーン」と呼ばれるもので動きを制御します。単に手を上げる、走るといった動きだけではなく、驚いて目を見開く、回ったらスカートがひらっと揺れる…といったのもすべてボーンで制御されています。モデルに命を吹き込む大切な工程です。
最後にライティングやカメラワーク、エフェクト。バトルシーンの鬼気迫るカメラワークや現実世界と見まごうような光の差し込み方、炎や水、雷などのゲームを彩る効果も3Dデザイナーが作成します。
1つのシーンを作成するだけでも多くの3Dデザイナーが関わっています。(まぁたまにジェネラリストという、複数の工程を1人でやってのけてしまう神様みたいな人がいらっしゃいますが...w)
3:デザイナーの頭の中
ここからはデザイナーリーダーという特権をフル活用(※職権濫用)して3Dの人が普段何を考えて生活してるかを語ります。あくまでも私個人の例になってしまいますが、デザイナー全員に共通するところがあると思いますので参考になれば幸いです。
まず、1日中CGに囲まれて生きてるかって言われたらそんなことありません。近年は技術の進歩により現実世界とほぼ変わらないグラフィックが作れるようになりましたが、基盤は当たり前に私たちが生きてる現実世界です。3Dなんて360度見られてしまうので、仕組みが少しでも現実の物と違うと「あれ?」ってなってしまいます。例えば、背景で階段の手すりがあったとして、あんまりにも高い/低いとそもそも手すりとして機能しませんよね?また、ある程度年数が経ったものなら多少の傷や汚れがあって然るものですし、金属製ならよく触っている部分の光沢が鈍くなっているかもしれません。階段や建物の大きさなどは仕様書でプランナーさんが決めてくださっている場合もありますが、デザイナーはそれに加えて、実際に見ておかしくないかを精査する必要があります。また、あつ森だったりポケモンだったりのデフォルメされたアニメ調の3Dだってあります。それらは仕組みを考えた上で部分的に簡略化したり、色の彩度を上げたりして世界観になじむように調整されています。
こうして文章にしてみると難しそうって感じるかもしれませんが、私が伝えたいことはヒントは日常にちりばめられているよってことです。歩けば道はすり減る、使っているうちに物の縁は黒ずんで汚れる、金属は日の光を反射するけどサビは反射しない...そんなちょっとした"当たり前"をくみ取ってオブジェクトに落とし込む。それが私たちの仕事です。
ここで一例を置いておきます。(お写真提供の灯夜ちゃんらぶちゅっちゅ。)
と、まぁここまでは比較的ONモードです。休日は作業以外で何してんのっていったらまぁゲームします。私はソシャゲを多少嗜んでいるのですが、ジャンルは違えど3Dがメインで使われているものばかりです。っていってもプレイ中勉強目線だと永遠にクリアできないので、「ツインテールの揺れきれーい」とか「この辺ポリゴン数少な目だなー」ぐらいしか考えてないんですが(笑)あとはYoutubeでMMDだったりアーティストのPVだったり目に入って気になったものを見てます。MMDは言わずもがなですが、PVは世界観の勉強にもなります。様々なジャンルを見ることで自分の頭の中の引き出しを増やしておきます。
また、Twitterも同様にちょっとした情報収集の場になってます。トピックでイラストレーションなどをフォローしてランダムでイラストレーター様のツイートが流れてくるよう設定してあります。これも同様に自分の引き出しを増やすために日々の生活に自分以外の視点や感性を溶け込ませています。(コロナ禍前は突発的に気になったイラストレーター様の個展に遊びに行ったりもできたんですが...涙)
まぁこんな反例がいるように、ゲームクリエイターも様々です。ゲームのプレイ歴=戦闘力とは限りません。意外な知識が活躍することだってありますので、事実に裏付けされた造形と、常識に囚われず遊び心を忘れないことがデザイナーにとって大事なんじゃないかなぁって思います!
4:最後に
如何だったでしょうか。最後はもはやただの自語りだった気がしますが、やってることは皆さんの休日とそこまで変わらないと思います。むしろちょっと目線が変わるだけでこっちの仕事に生かせるっていえば3Dに対するハードルが下がったかと思われます。今回デザイナーの話とかいいながら私の専門分野じゃない関係で2Dの話がだいぶ少なくなってしまったので、その辺は2D担当の夜光くんが書いてくれると信じます。
というわけで、次回予告をシメの言葉に代えさせていただきます。
次回、総務の灯夜ちゃんによる『広報のお仕事』についてです。お楽しみに!
詠
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