昭和が歴史に-昭和天皇物語

今は誰でも字が書け、あまつさえ本すら容易に出版できる様になりつつある。このnoteからも沢山の本が出版されていると聴く。

文章をまとめて一つの書(本)とする。

この事がもった意味は約1300年の間に様変わりしてしまった。

と。史学科卒の血が騒ぐ本をチョイスしたら真面目な書き出しに。歴史漫画大好き。作者の方々がどんな解釈をされるのかを読むのが楽しい。じゃあそもそも。

『昭和天皇物語』のベースになっているところから記していこう。

日本の歴史書

日本最古の歴史書『日本書紀』が生まれた理由は、日本という国が存在している事を世界に主張するためであった。当時(奈良時代)の日本にとっての世界は主に中国と朝鮮半島。日本列島に国がある、と主張する事がどれほど大事だったか。

そう。主張するために本はあった。昔から。

『日本書紀』は天皇毎に記載されている。国が作った歴史書は『続日本紀(しょくにほんぎ)』、『日本後紀』、『続日本後紀』、『文徳天皇実録』、『日本三代実録』、ここまでが六国史。

その後そういえば国の歴史書って、、、と思って調べたら、『明治天皇記』、『大正天皇実録』、『昭和天皇実録』までなかった(但し、編纂は宮内庁書陵部)。

歴史書は基本的に権力者又は権力者の近くにいる人が書く事が多い。権力の正当性を主張するという役割も歴史書にほある。『信長公記』、『大日本史』などが良い例。

では歴史が漫画になるってどう言う事か?

漫画になる歴史や人物

一、事件性に富んでいる

二、魅力的な人物

三、想像する余白がある

この3つが大事なPointだと私は考えている。

「事件性に富んでいる」かどうかは題材に選ぶ時に重要。物語にどれだけ起伏があるか&つけられるかの判断基準になるので。

「魅力的な人物」は例え歴史の教科書に載っていなくても物語の核になる様な魅力がある人。

「想像する余白がある」は、既出の作品があったり、歴史の教科書に載っていてイメージが定着している人は、イメージを活かすか覆すかの選択から始まる。そこから始めてももちろん良いけれど、イメージがなかったり、分からない事が多い人だと、自由に物語が作りやすい(今年の大河ドラマ「麒麟がくる」が良い例)

そこからいくと昭和天皇は現代の読者の多くの人にとっては歴史寄りの過去の人。テレビで観たことある、話を聞いた事がある、されど、どんな方かは分からない。

昭和天皇ってこんな方だったのか、、、‼️と思いたくなる要素が盛り沢山なのが『昭和天皇物語』‼️

激動の昭和

朝ドラでも映画でも昭和は取り扱われている。ましてやその時代を生きていた人が現在も生きているのが昭和だ。だから想像はしやすい。令和も将来「激動」と言われる可能性は高いけれど、昭和天皇が生まれ育った明治、大正も中々。大正もやっぱり興味深い時代(鬼滅の刃も大正だし笑)、、、と昭和だけじゃなくて明治末期に裕仁親王が成長していく過程や状況が興味深い。昭和天皇が生物学者として論文を発表されている事を想起させるエピソードや将来の天皇として育っていかなければならない宿命との向き合い方。次々と変わる内閣総理大臣。現代日本の成り立ちも追えるからまぁ、楽しい‼️

戦前の日本

が、想像できる漫画。奇しくも最近始まった朝ドラ「おちょやん」も大正から昭和へと時代が移っていく模様。朝ドラと合わせて読んで観ると両方がもっと面白くなるかもしれない。

【参考】

能條純一 原作/半藤一利 脚本/永福一成『昭和天皇物語』1〜7巻 小学館2017年〜 2020年12月7日閲覧

八木書店 出版部コラム「日本書紀の写本一覧と複製出版・Web公開をまとめてみた」 2020年12月6日閲覧





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