カラダがアツイ刺激を欲している
おうち時間が続いている。
リアルで顔をみながら話をするのは、ほぼ家族のみ。もともと外に出ることが好きなので、おうち時間にもホトホト飽きてきた。
あれこれ工夫をしてみるものの、刺激が圧倒的に足りていない。変化という彩りが、生活からスッポリと抜け落ちている。
刺激、欲しくないですか?それも、カラダがアツくなるような刺激・・・
家族が寝静まったあと、ビビビっと来るような出会いを求めて、スマホで夜な夜な検索をする。
あ、見つけた。でも、家族にはナイショにしておかないと。バレたら怒られちゃうもの。
♢
1週間後、だんなさんにバレた。
「カミーノ、これなに?」
ワタシが受け取るはずの宅急便を、だんなさんが受け取ってしまった。
「またこれ買ったの?まえ、一気に食べ過ぎて唇に水ぶくれできたよね。もうやめたほうがいい、って言ったと思うけど?」
あ、やっぱり痛いところを突かれちゃった。
♢
柿の種中毒になって久しい。
文字どおり、食べずにはいられない。コレ、いったいなんで?
もうずいぶん長い間、あなたの虜なの。あなたの刺激がないと、禁断症状が出ちゃうんだから。
心でそう呟いて、柿の種をじっと見つめる。
毎日食べるのは、亀田製菓さんの柿の種。どハマリしているのはわさび味。たまには定番のオレンジパッケージの柿の種も食べるし、限定バージョンは必ず買う。
家族にナイショで夜中にポチッとしたのはコチラ。
越後製菓【元祖とうがらしの種】80g ×5袋入り。これを5パック。
【元祖とうがらしの種】は全国に熱烈なファンがたくさんいる。ときどきコンビニでも売っているので、ご存じの方も多いはず。
ここで、【元祖とうがらしの種】のバックグラウンドを少々。
もともとは、新潟県上越市の『みながわ製菓』(昭和24年創業)が販売し、名菓となり大ヒット。ところが、『みながわ製菓』は平成28年に倒産。その半年後、同じ上越市の『越後製菓』が【元祖とうがらしの種】などの商標権を譲り受け、販売している。
『みながわ製菓』さんの倒産を知ったとき、全国の【元祖とうがらしの種】ファンは悲しみに打ちひしがれた。もちろんワタシもその1人。
もう2度と【元祖とうがらしの種】に会えないと思い、買い占めに走ったファンも多い。当時、【元祖とうがらしの種】は、ネットからも店舗からもあっという間に姿を消した。
『越後製菓』さんが譲り受けて【元祖とうがらしの種】が復活したとき、どれほど嬉しかったことか。
その喜びは、【元祖とうがらしの種】ファンにとって共通の思い。『越後製菓』さん、ありがとうございます、と深々とおじぎをしたに違いないのだ。
♢
『越後製菓』さんバージョンの【元祖とうがらしの種】。食感が多少変わった感は否めない。
それでも定期的に買ううちに、オリジナルの『みながわ製菓』さんバージョンに近づいている。
時間と労力をかけて改良しているんだなと思う。消費者の声を聞き、『越後製菓』さんが企業努力を重ねているんだろう。
食べれば病みつきになる味。これは以前と変わらない。
かなりの辛さだ。一味唐辛子だけど、なんとなくハバネロっぽい。“極辛”とパッケージに書いてある。
万人受けする辛さではないのかもしれない。”小さいお子様や辛いものが苦手な方は十分注意してお召し上がりください。”という注意書きがあるくらいだもの。
辛いモノ好きのあなたなら、恋に落ちることうけあい。
カラダがアツイ刺激を欲している。そんなあなたに、全力でおすすめします。
全国柿の種ファンのソウルフードといってもいいんじゃないの?個人的にはそんなふうに思っている。
【元祖とうがらしの種】のリバイバルを、奇跡が起きたと喜ぶファンもいたほど。それほどまでに深く愛されている。
口に入れるとパリパリとした食感。口のなかはヒリヒリするけど、辛味はすっきり。
ウマ辛系で後を引く味なので、ヒーヒー言いながらも口にポイポイ入れてしまう。
【元祖とうがらしの種】は、食べ始めると止まりません。ひといきつく唯一の瞬間が、1袋を食べ切ったあと。
あ、もうなくなった。
このとき、辛さで口の中がアツくて痛いことに気づく。最近では、もうこの時点で食べるのをやめることにしている。
以前こんな調子で、1日に2袋の【元祖とうがらしの種】を毎日食べたことがあった。そのときどうなったか。
5日目で唇のまわりに小さな水ぶくれが大量に出現。痛いし、かゆいし、口は空けにくい。口紅を塗ることもできず、なかなかのキビシイ体験をした。
刺激物、摂取しすぎよね。
子供でも分かるようなそんな当たり前のことを忘れさせ、食べる人を没頭させてしまう。それくらいの魅惑の味。だけど、ハマると怖いかもしれない。
今みたいにおうち時間が長いと、退屈してくるでしょ。どうしたって刺激が欲しくなる。
知らず知らずのうちに、カラダがアツイ刺激を欲しているんだもの。
今夜もついつい手が伸びてしまう、そのカラダをアツくしてくれる刺激に。