![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77867871/rectangle_large_type_2_9b98e31d3a827a59298a036293abe098.png?width=1200)
海水浴場
うちの息子がまだ幼稚園にも入ってない頃、生まれて初めて海水浴にいったのは土井ヶ浜の海水浴場だった。まだ赤ちゃんであり、水につかって妙な顔をしていたのを覚えている。
角島大橋が開通してすぐは、角島の海水浴場がきれいで人も少なくとても気持ちよかった。ただ出来たばかりだったので、海の家みたいなものはなく、シャワーもなかった。
年々、人が増え、カネをとるようになり、シャワーができ、もう芋の子を洗うような状況になったので、それ以来いっていない。
芦屋の海水浴場も人が多くて、海もあまり綺麗ではなく、空自の戦闘機が時折、グワーッと音を立て上空低く飛んでくる。一回いっただけで、ここもダメだな、と思った。
志賀島の海水浴場はなかなかよかった。人は多かったけれど、広くて、カネをとられることはなかった。シャワー室もあった。泳いだ後、帰りは休暇村志賀島で入浴して食事もできた。ただ北九州からはちょっと遠かった。
一番のお気に入りは波津の海水浴場である。ここは水は綺麗で、人も少ない。のんびりできて最高だった。海の家はなくて、無料だし、シャワーはないが、道路を隔てたところに八幡屋という温泉施設があるので、海水浴をしたら、ここの温泉に入ることにしている。食事も魚料理中心のバイキング料理がある。ちょっとした日帰り旅行気分に浸れる。北九州からもそんなに遠くはない。
息子が中学生になってからも夫婦2人で毎年、海開きの時季には訪れていた。ただ僕が病気になったので、それ以来行かなくなってしまったけれど。
あの頃着ていた水着もまだとってあるが、今はもう車もないし、ちょっと簡単には行けなくなってしまった。体のほうも万全ではないので、海水浴はもういかないだろうな、と思う。思い出のなかの風景になってしまった。
こうしていつの間にか歳をとっていくものなのかもしれない。子供もいつの間にかいい歳になってしまった。今や孫はいないがじいさんばあさんである。