見出し画像

ファミコン

 ふぁみりいこんぴゅうたあといふものが、この世に大層人気だそうな、ひとつ我もしてみんと欲す。
 僕はインベーダーゲームの世代だが、インベーダーゲームにはとんと関心が無く、1,2度くらいしかしたことがない。すぐ負ける。こんなゲームのどこがおもしろいんじゃあ、とソッポを向いていた。
 しかし今度のファミコンはちょっと内容がカセットソフトによって、いろいろあって、面白そうなので、つい興味をもった。
 という訳で、20代の独身の頃、ファミコンを買った。
 同時にジンギスカンの世界制覇もののカセットが面白そうなので買った。信長の野望のジンギスカンバージョンみたいなものなんだろうと思う。
 実はこのゲームに嵌まってしまった。夜中の2時3時までやっていた。なかなか区切りがつかないのである。
 おかげで仕事は睡眠不足で行く羽目になる。そして仕事から帰るとまた始める。流石にこれはよくないと思いつつも、まるで麻薬患者のようになってやめられない。
 ゲームをやっと終わらせ、世界制覇を成し遂げた数日後、僕はファミコン屋にファミコン本体とソフトを持って行き、買い取ってもらった。これ以上、この常習性のある危険なものを家に置いておくわけにはいかない。ソフトは大したカネにはならなかったが、ファミコン本体はビックリするくらいいい値で売れた。
 それ以降、僕はゲーム機を何も買っていない。当然ながらゲームもしていない。あんな危険なものは2度としないと誓った。
 パソコンの時代が来る。パソコンを買う。ゲームが最初から入っている。麻雀ゲームだ。つい手を出してしまった。しかし半荘で終わるので、区切りがいい。再びゲームをし出した。
 もっとも麻雀ゲーム以外は一切やっていない。RPGなんてもってのほかである。麻雀ゲームを制覇すると、すぐに飽きて、もうやらなくなってしまった。
 だが実は、家にはゲーム機が何台もある。長子の部屋にある。彼が持っていて、どっぷり浸かっている。知的障碍者だからゲームをしきらないということはない。不思議なものである。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?