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魚は痛みを感じるのか??
なにも釣れなかった😭
どうも、釣り・山阿呆の大学生です。
「魚は痛みを感じるのか」
釣り人なら誰でも、いや魚を飼育したことがある人やさばいたことがある人でも1度は考えたことがあるテーマではないでしょうか?
このことについて研究した人たちがいます。アメリカのヴィクトリア・ブレイスウェイトさんという女性の研究者です。
これまで魚は痛みを感じないという意見が強く見られていました。
なぜならば哺乳類が痛みを感じるときに働くとされる大脳新皮質が魚にはないからです。
大脳新皮質は脳の表面にあるグニャグニャっとしたやつです。脳の模式図などでよく目にすると思います。
彼女は以下の3つのポイントについて考えました。
・痛みの検出に必要な受容体、神経があるか
・痛みを引き起こす刺激によって神経系に活動があるか
・痛みにより魚の行動と決定にどのような影響があるか
ヒトには一次痛と二次痛があります。
一次痛はすぐに伝わる痛みで二次痛は少し遅れてくる痛みです。
タンスで足の小指をうってしばらくしてから泣きたくなるような痛みが襲ってくるのが二次痛のことです。
両者は違う神経繊維によって痛みが伝達されますが両方の神経繊維が魚にも発見されました。
マスを被験体として用います。
・触刺激←直接針でダメージを与える
・熱刺激←熱を与える
・化学刺激←刺激性の薬品でダメージを与える
以上の3つの刺激に対してマスはなんらかの反応を示しました。
ただ、反応を示したからといってそれが痛みを感じているとは限りません。(反射などの可能性もある)
ヒトは痛みを感じると呼吸、鼓動がはやくなります。
また、痛みで食欲なんかわかないということもあります。みなさんも実感があるのではないでしょうか?
魚の場合はエラの開閉回数で呼吸の変化が分かります。
食欲もエサに対する反応で一目瞭然です。実験では麻酔で魚を眠らせてから注射をします。
1:ハチの毒
2:お酢
以上の2つをマスの口付近に注射し、反応を比べます。
まず呼吸について比較します。麻酔がきれてからのエラの開閉回数回数はこうなりました。
通常時 毎分50回
1、2 毎分90回
ハチの毒やお酢によって呼吸回数が増えていることがわかります。
また、注射部位を水槽の壁や砂利でこする反応を示しました。
ヒトも肌になにか刺激物質があると水で流すのと同じようなことと考えられます。
次に食欲の変化を比較します。
麻酔の効果で丸一日寝ていたので普通ならばお腹はペコペコです。
しかし、1、2は呼吸数が回復した3時間半が経過しても食欲は回復しませんでした。
ロシアのある研究者は水槽の特定領域にマスが入ると電撃をくらわせるということをしました。
するとそのマスはその領域には入らないようになったのです。マスが電撃を嫌い、避けるように学習したということです。
以上のことからマスには痛みを検出する受容体があり、組織へのダメージを検知し、そして刺激により行動が変化するということがわかります。
しかし、これでもなお魚が痛みを感じているとはわかりません。なぜなら『不快感示している』=『痛がっている』ではないからです。
痛いと感じるには意識、自我が必要です。
これまでは魚には大脳辺縁系という自我を支配する部位も欠如していると考えられていました。
しかし、近年、魚にも扁桃体や海馬体という大脳辺縁系の重要な部位が発見されました。
・扁桃体:心の状態
・海馬体:学習や記憶
を担当しています。
このことから魚は高い確率で痛みを感じていると言えるのです。
ですが、脳のつくりが人間とは大きく違うため痛みの感じ方がどうなっているのかはわかりません。
この先の研究でより具体的な魚が受けている痛みの理解が進むことに期待しましょう‼️
以上、魚は痛みを感じるのか、でした。
また、次回もお楽しみに🤲
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