「自分の魅力を正しく利用している人」を観察してみた
昔からの知り合いと出張で3日くらい一緒に過ごしていました。若い時に一緒に働いた先輩に当たる人。魅力的な方で、年齢は上だけど見た目も異性が振り返る感じ、本人もそのことを十分理解して人と接しています。その彼が、自分の魅力をどう"利用"しているのか、3日間観察していました。
地方の部署のトップに就いているのですが、その仕事上の使命を実現する"営業力"のために、自分の魅力を使っていました。自分の魅力を悪用しない、正しい使い方です。
なぜ観察する気になったかというと、彼の空港でのちょっとした行動がきっかけでした。搭乗口近くに座って一緒に軽食を取ることになった時、その日の朝食で店員さんがなぜか大量に持って来たウエットティッシュを彼はストックしていて、さっと私に渡します。
ウエットティッシュという何でもないグッズですら、対人のサービスに使おうとしているのを見て、彼は普段どんな営業的行動をしているんだろう、と気になります。
具体的に以下のようなことを実践していました。
1 ちゃんとお礼する
本社からの無茶な指示で、客先の偉い人に急にアポを取ることになり、その会社の窓口の部署の、秘書出身の社員の方に助けてもらって無事アポが取れました。彼は、電車に乗るまでのわずか数分間にスイーツを買い、着いたら真っ先にその秘書出身の方にお礼に渡します。
やっていることはややクサイのですが、それをキッチリやるのでいやらしさがない。ちゃんとお礼するのは大事だなーと再認識しました。
2 相手が何を不満に思っているかわかっている
過去同じ会社で働いていて、今は同じ地方の関連会社に出向している元同僚と会います。彼は元同僚のケアを一生懸命している様子があったので、なぜだろうと思っていたら、その元同僚は今の会社への転籍の連絡を、本社からコロナを理由にメールだけで伝えられたとのこと。長年勤務したのにその扱い?と思っている様子。
彼はそのことにしっかり共感して、気持ちのケアをしていました。本来は人事担当がすべきことを、同じ地方で然るべきポジションで働く自分の役割と認識しているのでしょう。
3 とにかくアクセスする
普通の世間話をしている中で、後で確認したら誤った情報を相手に伝えてしまったとわかった時、彼はその日の夜に訂正のショートメールを入れていました。ただの世間話なのにマメに訂正。でもそれによって相手との接点を確保する理由を作り出し、関係性を深めています。
4 観察している
「1兆ドルコーチ」のビル・キャンベルのように、アメフトの選手のようなフィールド全体を俯瞰した観察を常にしています。
「商談でテーブルの上に置いてある物の位置が適正か」だとか「会食でさりげなく支払いをするにはどこにポジショニングをするのが良いか」など。ポジショニングが良いので振舞いが自然。
私のような多分に発達障害的要素を持つ人間からすると、彼のようなしなやかな行動を取ることは不可能。だからこそ、違う生物を観察するように彼の行動を見て、マネすれば良いのかなと考えています。
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