第32軍参謀長の紙上談
この日、当時の沖縄の地元紙である「沖縄新報」紙上に、第32軍長勇参謀長の紙上談が掲載される。長くなるが、以下紹介したい(引用にあたっては、文意を崩さぬ範囲で最小限度で句読点を補った。また若干意味の取りづらい部分もあるが、そのままとした)。
非常に長い記事なので重要な部分だけを引用したが、戦況緊迫するなかで県民の士気を鼓舞するため多少乱暴で極端な物言いをしていると考えたとしても、軍参謀長の紙上談からは、軍の指導を理屈なしに受け入れ、全県民が兵隊となって「一人十殺」を訴えている点、役に立つ者は戦い、役に立たない者は避難せよという「疎開」の実態、県民に分けるような食糧はなく、戦争に勝つことが軍の使命だとの物言い、あるいは戦争遂行に向けた行政のあり方への要望など、第32軍が沖縄と沖縄県民をどのように見ていたか知ることができよう。
参考文献等
・『沖縄県史』各論編6 沖縄戦
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第32軍長勇参謀長:NHKスペシャル「沖縄戦全記録」より