![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/11187897/rectangle_large_type_2_7ac4cb06b47f01dac6f2d5ff89e1c73d.jpeg?width=1200)
忘我亭のお料理の過去レシピ。公開してみます。過去の自分と出会う旅でもあり…作って食べる楽しさを分かち合う旅でもあり。
はじめに
蓼科で忘我亭というギャラリーとディナーの店をはじめてはや25年。
ディナーはスタートしたころから変化し続けて、今は「おまかせコース料理」というスタイルに落ち着きました。
25年といえば、赤ちゃんが生まれてすくすく育ち、行ければ大学に行き無事卒業、すでに社会に踏み出しているという時の流れです。
忘我亭と同じ年! という方もいらっしゃるかもしれませんね。
リゾートという蓼科の立地と 冬は長期お休みをいただくため、通年ではスタッフの確保は難しいです。けれども、シーズン中は多くのお客様をお迎えしなければなりません。
試行錯誤の末、夫婦二人でできる最小の理想のカタチ「おまかせコース」が生まれました。
「おまかせ」である以上は同じ方がワンシーズンになんどお越しいただいても、新たなメニューの組み合わせでおもてなししたいですよね。
コースの店で二度目もおなじようなお料理が出てくると魔法が解けてしまうというのは、私たち自身が他に行った時感じる体験によるからです。
また、グルメなお客様が多いので、なるべく召し上がったことのない味。
知っている素材を使っているけど、初めて食す味覚や食感を優先して創作しました。
というわけで、おなじお料理をおなじ方にお出ししないために、日にちとゲストのお名前、お料理を毎日せっせとメモするのが日常になったわけです。
それはおなじレシピを重ねないための厨房裏の事務仕事でしたが、とある日、そのファイルを漠然と眺め、ペラペラとめくっていきましたら
「うわわっ! 美味しそう。どんな味だったのだろう。食べてみたいなあ」というお料理が続々とメモされていました。それも膨大なデータ量!
そのなかからいくつかピックアップ。レシピに導かれて作ってみましたら、過去の自分の味覚や食の流行に出会い、なつかしくて、おいしい!
もうお店で登場しないレシピなのだったら、このまま死蔵させずどこかで公開しておいしさを共有しよう!
そんな動機で それらのレシピを再現してみることにしました。
広くみなさんに作っていただきたいため、再現にあたり気を配ったことは次の4点です。
1.オマールやあわびなどの高級食材は、なるべくスーパーなどで手に入る食材に置き換えてみる。
2.今の味覚は当時のわたしたちの味覚から比べてコツコツ進化しているので、足りないと感じる部分は今の時代に合うようにリメイクする。
3.家庭でも作れるように手順もこなれるようにひもといてみる。
4.ギャラリーもしておりますので、作家ものの器とコラボさせる。
次回からお料理を再現してみます。
わたしたちにとっても、過去の味覚に出会う旅でもあります。
いつまで続くかわかりませんが、みなさんのお口にあったら幸いです。
Gallery忘我亭/koyomi