【 ガラスペン 】香水瓶のような美しさ。フェリスホイールプレスのインクで桜を描く。
🌸🖋
Fall in love with writing again.
4月の初めに満開を楽しんだ桜。
中旬には造幣局で3年ぶりに桜の通り抜けが始まったとの知らせも耳にしました。
今回は「4月になったら使いたい」と楽しみにしていた
FERRIS WHEEL PRESS ( フェリスホイールプレス )さんの
STRAWBERRY MACARON ( ストロベリーマカロン )という名のインクのお話です。
Ferris Wheel:観覧車 の名がついたフェリスホイールプレスさんは、
2010年創業のカナダの文具会社のブランドだそう。
自国の美しい景色などから着想を得て生まれた色や名前のボトルたちを目の前にすると、どの物語を選ぼうかとわくわくしてきます。
パッケージには気球のモチーフやマカロンでできたタワーなどが描かれていて、ふんわりとした色と名前を表現しているようです。
インクの色を想像させる淡いピンク色のグラデーションと、
所々にあしらわれたゴールドの箔押しが美しくて飾っていたくなる繊細なデザインです。
香水瓶のような丸みがあるガラス製の
ボトルのデザインが個人的にとても好み。
85mlは球体状で、
私の持っている38mlの本体は円形。
インクボトルの全長を測ってみると高さが約7.7cm、厚さは約2.65cmです。
使用する時だけでなく、
ガラスボトルの面が広いデザインのおかげで
光が当たるとインクの色が透けて綺麗。
うっとりする色と光が織りなす美しい時間は、自分だけが見れる景色です。
ボトルに入っているインク液の色は結構透けて見えないことがあるのですが、今回のインクは透明度がかなり高くて気持ちが昂ります。
明るい色や淡い色ほど透明度が高いものを多く見かけます。
本当に綺麗で、眺めるのも好きです。
実際のインク色はパッケージやサイトなどで見るよりも濃くて
苺を甘く煮詰めたような色に見えますが
使ってみると期待通り。
思い描いていたあの淡さが紙の上に現れます。
今回はこの色に「 記憶の色の美しさ 」を教わりました。
ピンクが特段好き、とは意識していなかったのにどうして
これほどまでにこの色を愛でていられるのだろうか。という
不思議について考えてみました。
確かにそう。
「4月になったら使いたい」と楽しみにしていたこの気持ちは
すでに春の色が私の中に存在していた、ということか。
可愛いとか
似合う似合わないとか
好き嫌いではなく、それも飛び越えて
「それが私の春の色だから」
という理由がしっくりくる。
「思い出を美化する」という言葉がありますが、これは
“ 経験的な要因が一種のフィルタ的効果を及ぼす ” のうちの一つの現象なのかもしれません。
実際以上に美しいと考えてしまうほうの美化だと現実から離れて戻れなくなることもあるし、進んでいく未来の時間を奪う可能性もあります。
けれど、
それだけ大切にしたいっていう事実も確か。
考える力はあっても、実際に考え進めるかどうかは別のお話で、
考えすぎずに「美しくすること」と美化のストレートな意味のほうを意識しながら
ここは直感的に浮かんでいる色彩のイメージを大事にしたいところです。
記憶に縛られるのではなく、前に進むための美しさを
感覚的に自ら生み出すことができるのなら。
それは自分自身の力で動き始められるということ
でもあるのではないだろうか、と思います。
そうであれば一人一人の記憶の中の桜や春の色も少しずつ違うことは当たり前で、そこに物語が重なっているのだと想像すると
心が震えて、涙が出そうになるのをぐっと堪える。
「この季節にはこの色を好んでいるな」という直感から色を想像し、選ぶことは、
「その季節に自分の色彩がある」ということかもしれません。
一部をすくいとった言葉よりも、色は
全てを感じられる包容力を持っている。
そう思うとそれぞれの春の色があって然るべき。
イラストレーションの中央にカリグラフィーで
「 Spiritual beauty ( 精神の美 )」という
桜の花言葉を綴りました。
あなたの中の春は何色でしょうか。
・・・・・・・・・・
使用したもの
インク:
FERRIS WHEEL PRESS フェリスホイールプレス
STRAWBERRY MACARON / ストロベリーマカロン
ガラスペン:
HERBIN エルバン
ガラスペン クリア
ペン先:
Speedball スピードボール
C-2
用紙:
SAKAEテクニカルペーパー
イロフル A4サイズ
・・・・・・・・・・・・・・・