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ふと、携帯に通知がが来たことに気づいた。画面を開く。携帯の中で、アルバムの写真にいるあなたが笑顔で見つめてくれた。
私が気づくとすぐそばにあなたはいて、いつも万遍の笑みを浮かべている。嬉しそうだ。
これは、いいじゃん。とまた笑顔をくれる。私がいつも隣で悲しんでいたとしても。
ここで、わたしは触れられないことを思う。
あなたは誰なのだろう。ふと、そんな感情にいつも陥る。
どう見たって、私が見ているのはあなたで変わりないのに。
いや、やっぱりあなたではない。
あなたには私の声が届かない。あなたはいつもどこかへ消えてしまう。
だから、誰かの声がしていたけれど、もうそんなことは無いと、自分を振り切る。
私は、誰に話しかけていたのか分からなくなる。
自分を確かめるために、深呼吸をした。
ふと、あなたにもう一度声をかけようと携帯を触ってみた。
もうそんなことは無いと諦めた私がいる。

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