見出し画像

山陰・山陽ひとり旅③ ~広島・宮島編~

ひとり旅の旅行記の第3弾。広島・宮島編です。
前回は出雲で感じたこと(主にさみぃということ)を中心に書きました。

お世話になった出雲にご挨拶して、高速バスで広島へ向かいます。
山を越えていかなければならず数時間の長旅です。
こんな時は迷わず通路側の席を選択します。膀胱対策。
映画館で観た映画が想定よりも長編で膀胱がはち切れそうになり今でも主題歌を聴く度に下腹部がキュっとなること、昇進試験において緊張のあまり水をがぶ飲みし尿意でとんでもない計算ミスをしでかしたことなど、トラウマが幾つかあるので膀胱対策には余念がありません。大福やカステラを食べると水分を吸収して頻尿を回避できるというトリビアを聞いたので、いつか検証したいと思っています。私、尿意とは真剣に向き合っています。

さてさて、膀胱の話は程々にして、旅に戻ります。
中国地方は雪のイメージがなかったのですが、内陸側の雪の多さに驚きました。雪の影響で高速道路を封鎖されてしまうぐらいの豪雪っぷり。当初の予定よりも1時間ほど遅れて広島に到着しました。
政令指定都市なだけあってかなり都会です。
路面電車が日常に溶け込んでいる感じが広島らしいですね。

割と頻繁に走るチンチン電車。

ホテルに荷物を預け、一旦コーヒーブレイク。
近くにあったコーヒー屋さんに入りました。
東京にもあったことを後から知ったのですが、お店の雰囲気も大人な落ち着いた雰囲気でしたし、コーヒーも美味しかったです。(アメリカンコーヒーのごとく薄めな感想)


一息ついたところで平和記念公園へ向かいます。
現実を直視するのが怖くて、公園に近づくほど胃袋のあたりにズシンと何かがのしかかってくるような感覚があり、足を踏み入れることを躊躇しました。
それでも見なければいけないと思ったのは、今世界で起きていることに触れる度に、核爆弾がもたらす影響についてどこか軽んじられていると感じたためです。ボクが核爆弾の現実を知ったところで、世界は変えられないかもしれないけど、今も残る「痛み」はどうしても知らなければいけないような気がして覚悟を決めました。

原爆死没者追悼平和祈念館と平和資料記念館で見た一つ一つがあまりにも現実に起きたことのように思えなくて、ずっとフワフワ。それでも、「助けられなかった子供の声が忘れられない」と語る被爆者を見ていたときに涙が溢れました。どうしてそこで涙が出たのかは分からないけれど、記憶に刻み込まれた後悔や悲しみを一生背負い続けることがどれだけ惨いことか。どうにもこうにも映像の前から離れることが出来なかったのです。
一通り見るのに三時間以上かかりました。それでも足りない気がするし、何もわかっていないような気がして、ぼーっとしながら原爆ドームを眺めました。

人間が引き起こしたからこそ恐ろしい。

尾を引く悲しみを持ちながらも、このままだと旅行を続けることが困難になりそうだったので、ご飯を食べることにしました。そういえば、長時間移動と緊張にかまけて図らずもお昼ご飯をラマダンしてました。美味しいものを食べて元気を出そう。
広島出身の友人Mが教えてくれた鉄板焼屋さんにお邪魔します。

目の前で焼いてくれます。
初めていただいた広島のお好み焼き。キャベツと薄く焼いた生地の上に焼きそば、そして卵焼きを乗せるスタイル。いい意味で軽くて食べやすかったし、上品なお味でした。ボクは大阪のよりも好きです。

惚れ惚れする手さばき。
SHIZURU!

広島名物も舌鼓を打つおいしさ。
シシャモの卵が入った子持ちこんにゃく、牛の肩肉「コウネ」のすき焼き風、ぷりっぷりの牡蠣のソテー。ハイボール片手に広島フルコースを楽しみます。ひとり飲みをするときのメニューの選び方ですが、初めてだということを伝えたうえでお店の方のオススメを頼んでいます。お店の自信作にありつける確率が高いし、バランスを見て選んでくれるのでお腹も舌もちょうどいい塩梅で食べ進めることができます。

子持ちこんにゃく。
塩味の効いたコリッコリプチプチ食感。
コウネ焼き。
お肉の脂がフニャフニャしちゃう程とろっとろで美味。
はちきれんばかりのムチムチ牡蠣ソテミさん(17歳)

お腹も心も大満足。
お店を教えてくれた友達にお礼を伝えたところ、B29が原爆を落とす目印にしたと言われる場所を教えてくれたので、心の中でそっと祈りながら通りました。

ライトアップされる原爆や川につながる階段を見ながらホテルへ戻ります。
怖さ、悲しさがありながらも、不思議と「きれいだな」と思う気持ちもあって、それも含めて自分の中で大切に持っておきたいなと感じました。


ホテルへ戻りました。今回のお宿はこちら。
大浴場は付いているし、観光地へのアクセスも◎。
お部屋は少し小さめで閉塞感はあったけど、ベッドが大きくてゆったり寝られたのはよかったです。
平和記念公園で感じたものを反芻しながら眠りにつきます。

はるか昔、大学受験時に法華ホテルへ泊まったことを思い出す。

翌朝。朝食バイキングです。
ご当地メニューが充実していましたが、ここはグッとこらえて身体へのやさしさを重視。

味はまあまあ。(失礼)

早めにチェックアウト。路面電車に乗って「宮島」へ向かいます。
途中まではゆったり走りますが、都心部を過ぎたあたりからぐんと加速。まるで横浜から本気出す東海道線(熱海方面)のよう。

50分ほどで到着しました。結構近いんですね。
そこからフェリーに乗って宮島へ。
遠くにうっすらと厳島神社の鳥居が見えてわくわく度がアップします。


10分ほどで到着。
噂には聞いてましたが、鹿が至る所で堂々と闊歩していました。

松島みを感じる。
プリケツ。
とおーーーくに見える赤い鳥居。

鉄板焼き屋を教えてくれた友人Mが「揚げたてのもみじ饅頭は絶対食べろ!」と言っていたので、お店を見つけた瞬間に秒で入店しました。いくつか味の種類がありましたが、王道のあんことお店の方おすすめのクリームチーズの2種を発注。
アツアツ&ハフハフ。生地は昔大学の学園際の出店で食べた「アイス天ぷら」を彷彿とさせるデジャブ感。出来立てだからこそ、あんこやチーズが中からドロリしてくるのはしあわせでしたね。

お腹も心も満たされたところで、厳島神社を参拝します。
鳥居の鮮やかな赤と瀬戸内海の穏やかなブルーとのコントラストがたまらなくて何枚も写真を撮ってしまいました。
なぜ水の上に鳥居を立てたのか調べてみたところ、「島全体が神聖なものとされていたから恐れ多くて海に立てた」とのこと。なんて奥ゆかしいのかしら。

神社の中も美しくて、海に浮かぶ能の舞台がまたいい感じでしたね。

参拝を終えたら小腹が空いてきました。(燃費悪め)
その場で焼いてくれる牡蠣をつまみにレモンサワーをいただきます。
午前中からこんなことをしてしまうのは罪深い。でも、自分のペースでのんびり飲みながら、出来立てのおいしいものを食べられる幸福たるや。この背徳的旨味は忘れられません。

このドリンクは鹿に狙われています。
圧倒的うまさが伝わるだろ!!!

チョイ食いばかりしていたので、アナゴ飯は食べられませんでした。
フェリーに乗り宮島を後にします。


これにて広島・宮島編は終了です。
一度は訪れなければいけないと思っていた広島。心に余裕がある状態で、かつ世の中への関心が高まっているときに訪問出来て良かったです。ここで感じた一つ一つの感情は心の引き出しに大切にしまっておきたいと思いました。

在来線へ乗って尾道へ向かいます。
次回尾道編乞うご期待!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集