王滝村の三浦太夫
長野県の王滝村には、宝治合戦で行方不明となった、兄上の息子・四郎家村が逃げ込んだという伝承がある。
しかしネットに転がってた王滝村の家村の情報は、一貫性がない。
・滝越地区は平家の落人の里
・三浦太夫は朝比奈三郎のことである
などなど。
更に混乱するのが
という村の公式っぽい記述
やはり現地でフィールドワークするしかないか……と滝腰に到着。
まずは腹ごしらえかつ、 手掛かりである看板があるという水交園へ……!
天ぷらと蕎麦を頼みつつ、看板の事を聞くと……なんと
「あーあれね、根元がくさっちゃったから撤去したんですよ」
という驚愕の事実を知らされる。
しかし、年に一度祭りをするという「三浦太夫の杜」の場所を聞く事ができた。そして更に……
店長「三浦太夫の事を纏めて本にしたおじいちゃんがいるんですよー」
オレ「その本ありますか?」
そしてこの著作者の家を訪ねてお話を伺ったりして、帰路についた。
本と言っても自費出版で市場に流通しているわけではないので、現地に行かないと購入できない貴重な本だ。
国会図書館にもはいっているようだ。
この本の何が凄いって、ただの伝承の紹介だけでなく「検証」という視点を持って、現地の地元民で子孫であるにも関わらず、伝承に対して「疑い」を持っているという所だ。
歴史を掘るのが好きな者たちは解ると思うが、このように考えられる事は本当に凄い。
以下、本をざっと読んで抜粋すると……
この本の完成は2002年。おそらく、この本の取材に応じた古老たちの話はもう聞けないだろう。
本当に…本当に貴重な本を書いてくれた゜・(ノД`)・゜
本当にここに家村が逃げてきたのか、は解らない。しかし少々信憑性を感じるのが、王滝村の入り口から滝越までのそれぞれの集落に、「見張りになれ」と言われた家が1軒〜2軒あり、先祖伝来の刀もあるそうだ。刀自体はそれぞれ失われてしまったらしいが、この用心深さ、まさに三浦党。
(2016年8月)