劉慈欣『三体』によりSF熱が再燃したかも
最近、傑作長編SFとの呼び声が高い劉慈欣『三体』シリーズをちまちまと読んでいる。いま3冊めに突入したところだ。ネタバレになるので詳細は書かないが、1冊目はとにかくこれいったいどうなっちゃうんだろうと想像を掻き立てられる。SF小説を読む楽しさを思い出してしまった。
そして邦訳されている3冊のうちの一冊目のkindle版が本日24時まで半額となっている。
冒頭は文革でキーパーソンの一人である葉文潔の父が処刑されるシーンから始まる。そこから現代に飛んで、科学者たちが謎の自殺を遂げて、それと『三体』というオンラインゲームが関わっていることがわかってくる。主人公はこのゲームに入り込み奇怪な現象にまきこまれていく。。。
人類は滅亡するとわかっているのに歴史に名を残したり、子孫を残したりすることに意味は、、、というような深遠っぽい思考へと導かれる。作中ではそれは敗北主義、逃亡主義といった思想として現れることになる。こういういらんことを考えてしまうのもSFの醍醐味だ。
本作はアジア人が初めてヒューゴー賞を受賞した作品だそうだ。英語でない言語で書かれた作品がヒューゴー賞をとるんだからそれは面白いに決まっている。久しぶりにSF熱が復活してしまった。
種明かしされるにつれて、2冊めと3冊めはわりと普通のSFになっていくのだがそれでも面白いことには変わりない。まあブックオフに行くと、1冊めと2冊めはたくさんあるのに3冊めはほとんどないというサピエンス全史状態に出くわすのだが。。。(なぜか『ホモデウス』はそんなことないという)
来年には続編が出るようで期待に胸が高まるというものである。さらにはNetflixで映像化も企画されているという。制作総指揮、脚本は『ゲーム・オブ・スローンズ』のデビッド・ベニオフだ。どんなふうに我々の想像力を超えていくか楽しみで仕方ない。