『ニュータウンは黄昏れて』読んだ
数年前に話題になったこれ今さらながら読んだのである。
バブル期に郊外のニュータウンにマンション購入しちゃった一家の物語だ。
先日こんなものを読んじゃったので、そろそろかなと思って手に取ったのである。
東京で夢破れた人達の物語であるこれとは違って、郊外とはいえ家族とマイホームがある。
高値掴みした上に、駅から遠いので売るに売れないという悲しみ。
その結果、高齢化が進み八方塞がりに。
高齢者も一枚岩ではなく、起死回生の策と思われた建替えも前に進まない。
新陳代謝の停滞した郊外は本当に良くないなあと考えさせられるのであった。
しかしニュータウンの悲惨な末路みたいなことに終始するのではなくて、良いところも挙げられている。敷地が広くて緑が多いとか。
また娘に資産家のボンとの結婚話なども持ち上がり、本当の幸せとはなんだ?みたいな話題もあって、飽きることなく読めたのであった。
しかし郊外の住宅地とかどうするんだろうな。関西にもそんな場所は沢山あるけど。
商業地になれなかったところが住宅地になるのだが、住宅地にも格差がある。端的に言えば、中心部へのアクセスだ。
都会のクソ高い家賃を嫌って郊外すぎるところに住むと通勤通学で人生を浪費することになる。
かといって都会の狭小住宅もQOLが悪い。
そのような辛酸を余すところなく味あわせてくれるのが本作というわけである。
人生難しいですね。
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